- No
- 97
- Date
- 2013.02.10 Sun
東京ステーションギャラリー
去年の10月に復原が完了した東京駅丸の内駅舎。
南北に長いこの建物の両端にある二つのドームのうち、北側のドームの真下には東京駅の丸の内北口があります。

復原後に南北のドーム下を時々通りかかると、たいていカメラや携帯を天井に向けている人が何人もいて、すっかり観光名所になっています。
今日は私もその仲間入りをしてみました(笑)
改めて見上げてみると、戦前の日本が西洋に負けじと技術の粋を尽くした情熱や矜持が伝わってくるようです。
この丸の内北口の一角に、東京ステーションギャラリーの入口があります。

以前から存在していた美術館ですが、駅舎の復原を機にリニューアルし、現在は「始発電車を待ちながら(東京駅と鉄道をめぐる現代アート9つの物語)」と銘打った工事完成記念展を開催しています。
ポスターの横にはプラレールの青い線路。
右端の、一部崩れかけた古いレンガも興味をそそられます。
ガラス戸のエントランスから入り、券売機で買ったチケットを受付に渡して、横にある何やらかっこいいエレベーターでまずは3階に上がります。
3階でドアが開くと・・・そこはもう最初の展示物の中。
部屋いっぱいに(壁や天井にも)プラレールやミニチュアのユニットが組み合わされて、それが幾何学的な模様をなし、不思議な世界が形作られています。
ちょっと童心に返ってわくわくするようなインスタレーションでした。
私が一番気に入ったのは、暗室に線路が敷かれている作品。
線路の周りには、規則的に立てて並べた洗濯バサミや、コーヒーカップやじょうろなどのいろいろな日用品が配置されています。
線路上では、LED電球を点した小さな電車がそれら日用品の間をかすめながら走り、通過することで壁に投影される影絵を体験する仕掛けです。
電車がザルのトンネルをくぐるときには、暗室の壁や天井いっぱいにザルの網の目が映し出されたりして、予想外の臨場感が楽しめる作品でした。
展示室内はもちろん撮影禁止ですが、外の通路などは問題ありません。
暗室を出て3階から2階に下りる階段です。

1階の空間に像のようなものが見えますが、後で下りてみたら、キューピーさんの錆びた銅像でした。
その意味は、見に行った方のお楽しみ。

階段の天井には、クラシックなシャンデリアが吊り下げられています。
これは昔から使われていたものだそうです。

階段の壁の一部には、建て替え前の古いレンガや鉄骨が、重要文化財としてそのまま残されています。

ところどころ黒くなっているのは、ネジや釘を受けるための木レンガがあった箇所で、1945年5月の空襲で東京駅が全焼したときに炭化したものです。
昔のお話として聞き知っている戦争や空襲についても、こうして現物を目にすると「本当にあったんだ」と急にリアルなものとして心に迫ります。
ただ通り過ぎるだけではもったいない、歴史の重みを感じられるような階段スペースです。
2階の展示室は3階より広いエリアで、それぞれ個性的なアートが展開されています。
その後半は写真や映像を中心とした作品で、しばらくの時間その前に立ってぼーっと見ていたいものばかりでした。
実際、東京駅全景や線路上の風景が、不思議な透明感を伴って少しずつ移ろっていく作品の前では、石になったように何分もの間、正面を占領してしまいました(笑)
現代アートは難しいように思えるけれど、媒体の豊富さや着想の斬新さがあり、美術や芸術の知識をまったく持たない私でも自由に楽しめる点がいいなと思う、今日この頃です。
すべての展示を見終わると、休憩室に出ます。

自動販売機の横にも、プラレールのモチーフ。

窓の横にはこんな椅子も置かれています。
平日の夜だったので、貸切とはいかないまでも鑑賞客はまばらで、写真取り放題、休憩し放題でした(笑)
そして、休憩室から外に出ると、

ドーム下の広場を見渡せる2階の渡り廊下に出ます。
なかなかいい眺め。

通路をぐるりと回って化粧室エリアに入ると、そこにもプラレールが飾られていました。
徹底してるなぁ。

そして、トイレの個室にも一部レンガの壁が使われています。
いたるところで、昔からあるものを活かして新しいものと調和させながら保存する、復元ではなく復原だと言われるのはそういうことなのかなと思ったりしました。
・・・って、何もトイレで考えるようなことでもないですが(笑)

ドームの壁沿いの通路を化粧室から半周すると、ミュージアムショップがあります。
たいていの美術館と同様、出口に行くにはここを通り抜ける必要がありますが、見てしまうといろいろ面白いものがあって素通りできたためしがない・・・。

やっぱり買いました(笑)
駅舎の精密な絵が描かれたメモ帳(中も同じ絵)と、鉄道にまつわるピクトグラムがかわいい封筒です。

ショップの出口からはまたあの螺旋階段を下りて、最下階へ。
美術館としてはこじんまりとした空間ですが、独特の雰囲気が活かされたつくりで、とても楽しめました。

ちなみに、この展示会の期間(2/24まで)はオープン記念料金の500円で観ることができます。
10月のオープン当初は整理券を配っていたようですが、会期も終盤近くなり、平日の夜は特に空いていてお勧めです。
東京ステーションギャラリー
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/
南北に長いこの建物の両端にある二つのドームのうち、北側のドームの真下には東京駅の丸の内北口があります。

復原後に南北のドーム下を時々通りかかると、たいていカメラや携帯を天井に向けている人が何人もいて、すっかり観光名所になっています。
今日は私もその仲間入りをしてみました(笑)
改めて見上げてみると、戦前の日本が西洋に負けじと技術の粋を尽くした情熱や矜持が伝わってくるようです。
この丸の内北口の一角に、東京ステーションギャラリーの入口があります。

以前から存在していた美術館ですが、駅舎の復原を機にリニューアルし、現在は「始発電車を待ちながら(東京駅と鉄道をめぐる現代アート9つの物語)」と銘打った工事完成記念展を開催しています。
ポスターの横にはプラレールの青い線路。
右端の、一部崩れかけた古いレンガも興味をそそられます。
ガラス戸のエントランスから入り、券売機で買ったチケットを受付に渡して、横にある何やらかっこいいエレベーターでまずは3階に上がります。
3階でドアが開くと・・・そこはもう最初の展示物の中。
部屋いっぱいに(壁や天井にも)プラレールやミニチュアのユニットが組み合わされて、それが幾何学的な模様をなし、不思議な世界が形作られています。
ちょっと童心に返ってわくわくするようなインスタレーションでした。
私が一番気に入ったのは、暗室に線路が敷かれている作品。
線路の周りには、規則的に立てて並べた洗濯バサミや、コーヒーカップやじょうろなどのいろいろな日用品が配置されています。
線路上では、LED電球を点した小さな電車がそれら日用品の間をかすめながら走り、通過することで壁に投影される影絵を体験する仕掛けです。
電車がザルのトンネルをくぐるときには、暗室の壁や天井いっぱいにザルの網の目が映し出されたりして、予想外の臨場感が楽しめる作品でした。
展示室内はもちろん撮影禁止ですが、外の通路などは問題ありません。
暗室を出て3階から2階に下りる階段です。

1階の空間に像のようなものが見えますが、後で下りてみたら、キューピーさんの錆びた銅像でした。
その意味は、見に行った方のお楽しみ。

階段の天井には、クラシックなシャンデリアが吊り下げられています。
これは昔から使われていたものだそうです。

階段の壁の一部には、建て替え前の古いレンガや鉄骨が、重要文化財としてそのまま残されています。

ところどころ黒くなっているのは、ネジや釘を受けるための木レンガがあった箇所で、1945年5月の空襲で東京駅が全焼したときに炭化したものです。
昔のお話として聞き知っている戦争や空襲についても、こうして現物を目にすると「本当にあったんだ」と急にリアルなものとして心に迫ります。
ただ通り過ぎるだけではもったいない、歴史の重みを感じられるような階段スペースです。
2階の展示室は3階より広いエリアで、それぞれ個性的なアートが展開されています。
その後半は写真や映像を中心とした作品で、しばらくの時間その前に立ってぼーっと見ていたいものばかりでした。
実際、東京駅全景や線路上の風景が、不思議な透明感を伴って少しずつ移ろっていく作品の前では、石になったように何分もの間、正面を占領してしまいました(笑)
現代アートは難しいように思えるけれど、媒体の豊富さや着想の斬新さがあり、美術や芸術の知識をまったく持たない私でも自由に楽しめる点がいいなと思う、今日この頃です。
すべての展示を見終わると、休憩室に出ます。

自動販売機の横にも、プラレールのモチーフ。

窓の横にはこんな椅子も置かれています。
平日の夜だったので、貸切とはいかないまでも鑑賞客はまばらで、写真取り放題、休憩し放題でした(笑)
そして、休憩室から外に出ると、

ドーム下の広場を見渡せる2階の渡り廊下に出ます。
なかなかいい眺め。

通路をぐるりと回って化粧室エリアに入ると、そこにもプラレールが飾られていました。
徹底してるなぁ。

そして、トイレの個室にも一部レンガの壁が使われています。
いたるところで、昔からあるものを活かして新しいものと調和させながら保存する、復元ではなく復原だと言われるのはそういうことなのかなと思ったりしました。
・・・って、何もトイレで考えるようなことでもないですが(笑)

ドームの壁沿いの通路を化粧室から半周すると、ミュージアムショップがあります。
たいていの美術館と同様、出口に行くにはここを通り抜ける必要がありますが、見てしまうといろいろ面白いものがあって素通りできたためしがない・・・。

やっぱり買いました(笑)
駅舎の精密な絵が描かれたメモ帳(中も同じ絵)と、鉄道にまつわるピクトグラムがかわいい封筒です。

ショップの出口からはまたあの螺旋階段を下りて、最下階へ。
美術館としてはこじんまりとした空間ですが、独特の雰囲気が活かされたつくりで、とても楽しめました。

ちなみに、この展示会の期間(2/24まで)はオープン記念料金の500円で観ることができます。
10月のオープン当初は整理券を配っていたようですが、会期も終盤近くなり、平日の夜は特に空いていてお勧めです。
東京ステーションギャラリー
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/
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野っ原だったところに突然できた、TOKYOすていしょん。
昔の日本人ってほんとすごいね。
リニューアルされて、ほんときれいになったね。
ここの鉄骨、当時うちの会社で作ったんだよ〜。
Re: タイトルなし
えー、AKI兄さんの会社で作った鉄骨だったの!
関東大震災でもびくともしなかったという。
すごいねー。そういうのって何だか誇らしいよね(^_^)
もの自体があまり歴史に残ることがないIT企業の社員としては、ちょっと羨ましいなぁ。