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桝一客殿(部屋や夕食など)

11月の初めに、長野県の小布施に行ってきました。
小布施と言えば栗の名産地であり、晩年の葛飾北斎が滞在して創作活動にいそしんだ場所です。
数年前にも夫と訪ねたことがあるのですが、北斎に関わる場所はほとんど見られなかったので、もう一度行ってみようかと久しぶりの遠出となりました。



まずは北斎が描いた鳳凰の天井画がある岩松院へ。
コロナ禍で停止されていた高速料金の週末割引が復活し、秋の行楽日和も重なって、三連休でもないのに関越道は渋滞続き。
拝観時間中に辿り着けるか少し焦りましたが、何とか15時頃に到着しました。
小布施の中心地から少し離れた雁田山の麓にある、ひなびた雰囲気の曹洞宗のお寺です。



一般車用の駐車場から少し歩いて仁王門へ。



靴を脱いで本堂に入ると、その先は撮影禁止です。
本堂の中には北斎が描いた「八方睨み大鳳凰図」の天井画があり、座って鑑賞できるよう何脚もの長椅子が置かれていました。
ちょうど説明が始まったところで、私たちも長椅子の一つに座って拝聴しましたが、お話が上手でとても面白く、最後にはみんなで拍手喝采。
どの角度から見上げてもこちらを睨んでいるように見える鳳凰の天井画は、160年以上も前に89歳の北斎が描いて以来一度も修復されておらず、鮮やかな色彩がそのまま残っていることに驚きました。
岩松院の境内には福島正則の霊廟や、小林一茶が「やせ蛙まけるな一茶これにあり」の句を詠んだ池もあります。
福島正則霊廟は山肌に沿って不揃いの石段が積み上げられた先にあり、冬季は閉鎖されるそうです。
ほんの数十段ですが一段一段が高いので意外と上り下りが大変で、翌日軽い筋肉痛になりました(笑)



岩松院から車で15分ほどで、宿泊先の桝一客殿に到着。
小布施堂や桝一市村酒造場を経営する桝一グループのホテルです。
車は玄関前に停車してスタッフにキーを預けるバレーパーキング方式。
前回もこちらにお世話になりましたが、降雪の可能性ありで電車での来訪でした。
あれは4~5年前かと思いきや、確認したら9年も経っていることに気づき、またまた驚愕。



フロントロビーでチェックイン手続き。
スタッフから夕食時間の確認と周辺地図の説明があり、その後部屋へ。



桝一客殿の部屋には番号や名前がなく、それぞれに北斎の絵が割り当てられています。
今回予約したのは「リラックス型ツイン」タイプで、部屋は2階にある「桶屋の富士」でした。
(正式名称は「尾州不二見原」というそうです)
前回は「赤富士」の部屋だったなぁと思い出しました。



部屋に入るとすぐ右手に、洗面エリアと向かい合わせのクローゼット。



洗面台はゆったりとしていて、横長のステンレス台はマグロでもさばけそうな広さでした(笑)
椅子も用意されていて親切。
部屋に行かずに、ここを通り抜けてバスルームにショートカットできるのも動線としては使いやすいです。



シンクが小さくて深めなので、手を洗うにはいいですが顔を洗う時に蛇口におでこがぶつかってしまうのは要注意。
私だけかもしれませんが(笑)



砂糖問屋の土蔵を移築して作られた部屋は天井が高く、程よい広さとお籠り感があって寛げます。



この日の日中は東京とさほど変わらず暖かかったのですが、朝晩は10℃を下回る肌寒さ。
それでも、床暖房のお陰でエアコンを使わなくても快適でした。



掃き出し窓の外には箱庭のようなバルコニーが付いています。



椅子とテーブルの他にオットマン付きのソファもあり、夫のお昼寝スペースに最適(笑)



部屋に案内してくれたスタッフが、小布施堂の秋の生菓子「市田」とお茶を届けてくれました。
一瞬干し柿かと思いましたが、干し柿に見立てた栗餡の餅菓子です。



ルームキーには部屋の入口と同じ「桶屋の富士」の絵が描かれていました。
だいぶ色が薄くなってしまってますが(笑)
これを見せれば近隣の店での食事や買い物の清算を部屋付けにできます。



アラビアのコーヒーカップとお茶セット。
コーヒーはドリップではなくプレス式です。



小さな冷蔵庫にはお水やジンジャーエールなどのフリードリンク。
夫は夕食前にビールをいただきました。



奥の廊下のつき当たりはガラス張りのバスルーム。



そして浴槽もガラス張り(笑)
木造りでは温泉っぽいし、普通のバスタブではシティホテル風になるということで、こんなモダンな形になったそうです。
浴槽は広く深さもありかなりの容量ですが、蛇口からすごい勢いでお湯が出るので、意外と早く満杯になります。



バスルームの横のトイレ。
手洗いシンクもついた広めのスペースです。



桝一客殿の12の客室は何棟かの蔵に分かれていて、ロビーや蔵の間は屋外通路で繋がっています。
部屋を出て階段を下りると、そこはもう外。



正面がロビーのある建物、右手は蔵造りの客室、左手にはライブラリー。
食事は近隣の系列店で提供されるため、いったんホテルの外へ出ます。



敷地内の裏道を通って、夕食場所の小布施堂本店へ。
ホテル内もそうですが、基本的に最小限の明かりしかないため夜はかなり暗く、癒しの空間ながら足元には注意が必要です。
途中の広場では、ライトアップされた煙突がレトロでいい雰囲気。
この広場に面したモンブラン専門店「えんとつ」は予約もテイクアウトもできないお店ですが、桝一客殿の宿泊客はフロントで予約可能とのことでした。
夫があまり乗り気でなかったので諦めたものの、小布施の栗を使ったモンブラン、予約して食べればよかったなとちょっと後悔。



小布施堂本店は栗菓子のお店ですが、奥に食事処があり、そこで夕食をいただきます。
表は既に閉店し、夕食時は桝一客殿宿泊者のみ利用可能とのことで、正面ではなく横の入口から入るようになっていました。



会席仕立ての夕食コースの始まりは、長芋寄せに甘海老を乗せた一皿。
一緒に運ばれてきた小鉢は、枝豆と自家製の松前漬けです。



栗の茶巾絞り。
今年の新栗を使い柚子風味の葛餡をかけたもので、栗そのもののような味わいです。



鰹の柚子胡椒オイル。



お品書きにはありませんが、サービスで栗の天ぷらを出してくれました。
ほくっと柔らかいサツマイモのような食感で、塩でいただくととても美味しかったです。



そば豆腐の揚げだし。



〆鯖の菊和え。
ポーションはどれも小さめですが品数が多いので完食は難しいと思い、夫に少し食べてもらったりしていたら、フロアスタッフが察して、途中から私の分は量を少し減らしてくれました。
ありがたいです。



鯛の卵けんちん。
料理名からけんちん汁のようなものを想像していたら全然違いました(笑)
添えられているキノコは信州産の霜降ヒラタケというそうです。
秋の長野は山の食材の宝庫ですね。



肉団子の炊合せ。
大きな丸い肉団子にお出汁がよく染みてほっとする味わいです。



そして、ご飯より栗の割合が多く何とも幸せな栗ご飯。
これも少なめに盛ってもらいましたが、ほのかに効かせた塩味に栗の甘さが引き立ち絶品でした。
栗は大好物なのに栗ご飯はあまり好きではない夫も、これはうまいと絶賛。



最後に、フルーツのゼリーかけ。
ナガノパープルにシャインマスカット、メロン、梨と盛りだくさんです。
秋の小布施ならではの、栗をふんだんに使った料理を堪能し、お店を出たら外はぐっと冷え込んでいました。



また裏道を通ってホテルに戻ります。
桝一客殿の玄関前は大型バスの駐車場ですが、朝晩は車も停まっておらずとても静か。



部屋に戻る前に、文庫蔵を改装したライブラリーに寄ってみました。
ここは24時間利用可で、読みたい本を部屋に持ち込んでもよいとのこと。
浮世絵や日本画の画集、文芸本、信州の文化や歴史など、いろいろなジャンルの本が取り揃えてありましたが、特に北斎の肉筆画集が素晴らしかったです。
夫と「北斎って浮世絵版画だけじゃなくこんな絵も描くんだね」としばし感嘆しながら見入りました。


岩松院
https://www.gansho-in.or.jp/
桝一客殿
https://kyakuden.jp/

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