- No
- 406
- Date
- 2021.01.03 Sun
銀山温泉 藤屋(温泉街や部屋など)
コロナ禍で大揺れの2020年が暮れ、新しい年を迎えました。
帰省せず東京の自宅で過ごす年末年始は初めての経験で、新鮮だけれど何かしっくり来ないような気分です。
スーパーへ行けば売り場の正月マジックに乗せられ、予定にない蟹やら数の子やらをつい買い込んでしまったり(笑)
おかげで、ささやかな二人前おせちで過ごす予定が、思いのほかごちそう続きの年越しとなりました。
親しい人たちと会って話して一緒に過ごせる、そんな日常が早く戻ってくればいいなと思います。
感染者数が減少に転じる兆しも見えず、明るい新年とは言い難い状況ですが、萎縮しすぎず慣れすぎず、できることをして乗り越えたいところです。
ひとまず休暇中は家にこもり、放置していた写真の整理などしつつ淡々と過ごしています。
少し前になりますが、11月に山形県の銀山温泉を訪ねました。
去年は実家メンバーとの温泉旅行も計画しては延期しての繰り返しで、11月も感染拡大傾向となったため、結局私と夫の二人で行くことにしたのでした。

東京から3時間強、山形新幹線の大石田駅。
ここから銀山温泉までは車で30分ほどかかりますが、宿からマイクロバスで送迎してくれました。

駅のある町中から田園地帯を抜け、花笠音頭発祥の地と言われる徳良湖を通り、どんどん山の方へ。

山間を流れる銀山川が見えてきたら、銀山温泉の入口です。
白銀橋から先の温泉街には車両が入れないため、駐車場に車を停めて宿までは徒歩で向かいます。

今回のお宿、藤屋。
大正ロマンを感じさせる古い街並みの中で、ガラス張りのエントランスが目を引きます。
建築家の隈研吾氏によるリノベーションとのこと。

中はガラス面からの採光を活かし、灯りが抑えられていて、落ち着く暗めの空間です。
内側を暗くすることで外から見えにくくする効果もあるのでしょうね。

他の数組と同時に到着し、チェックインまで少し時間がありましたが、私たちの部屋は運よくすぐに用意ができるとのことで、そのままロビーで待たせてもらうことに。

ウェルカムドリンクのコーヒー、紅茶と一緒に、枝豆をすり潰したずんだ餡入りの古代米の大福を出してくれました。
ほどよく冷えてもちもちと柔らかく、とてもおいしかったです。
ずんだ大好物(笑)

ひと息ついた後、部屋に案内してもらいました。
光が透ける竹の壁の向こう側に上がり口があり、靴を脱いでスリッパに履き替えます。

館内は竹や木や和紙がふんだんに使われていて、隈研吾らしさを感じる空間です。
各部屋の入口も、部屋番号や目印になるものは何もなく、ドアノブすらありません。
一見するとただの壁ですが、よく見ると指を掛ける隙間と鍵穴があるのでドアだとわかる程度。
「時々迷子になるお客様もいるんですが、隈さんの方針なのですみません・・・」とスタッフの方は申し訳なさそうでしたが、これはこれでなかなか楽しいです。

私たちの部屋はS300、3階の一番端でした。
ドアを開けるとすぐそこにベッドルーム。
横にはシャワーブースとバスタブがありますが、バスタブと部屋の間に仕切りはなく、実用性よりお洒落感の強いデザインです。

ベッドのすぐ隣に洗面台という、ちょっと不思議な配置。

バスタブは一人でゆったり入れる大きさです。
お湯は張りませんでしたが、底がS字型に波打っているので、夫が歯を磨きながらラウンジチェアのように寛いでいました(笑)
ちなみに、部屋のお湯は温泉ではありません。

バスタブの横の木のドアはトイレです。

ベッドルームの先にわずかに段差のあるリビングスペースがあり、その先にダイニングがあります。
段差のところでスリッパを履き替えるのですが、室内で行き来する時にこれは少し面倒でした。
全体的に和の趣を取り入れたモダンな洋室ながら、見上げると高い天井に古い立派な梁が残っていて、歴史も感じられます。

壁際に座布団が2枚置かれているので座ることを想定しているのだと思いますが、床の間のようで何となく畏れ多い(笑)

一番奥がダイニングルーム。
食事は朝晩とも部屋出しで、ここでいただきました。
窓からは銀山川と温泉街が見渡せます。

横のキャビネットにはお茶セットと小さな液晶テレビ。
ドアの中には冷蔵庫や金庫や浴衣などがありました。
テレビはポータブル式ではないので、近くでじっくり見たい人には少々使いづらいかもしれません。

館内の廊下だけでなく、室内も生活感が極力排除されているようです。
クローゼットの扉も一瞬どこにあるかわからないように隠されていました。

壁の一部を開けるとそこがクローゼット。
エアコンのコントローラーやコンセントもこの中にあります。
感心する一方で、スマホやカメラのバッテリーの充電をする際に他にコンセントがほとんどないのはちょっと不便でした。

窓からの眺め。
川を挟んで向かい側の、古勢起屋別館の風格ある佇まいを堪能できます。
時々向こうからもこちらを眺めていたりします(笑)が、お互い常に窓際にいる訳ではないので、それほど気にはなりません。

荷物を整理し、ひと休みした後、周辺を散策してみました。
温泉街自体はこじんまりとしていて、ゆっくり1時間も歩けば回れる広さです。
藤屋はちょうど温泉街の真ん中あたりに位置しています。

銀山温泉には昔何度か来たことがありますが、古い建物がこれだけ残っていることに改めて感動します。
藤屋のように全館建て替えられた旅館もところどころにあるものの、街並みに調和していて違和感はありません。
足湯や飲食店を利用する若い人たちの姿も意外に多く、大学生の姪によると「若者も行くよ、映えるから」とのこと(笑)
新型コロナウィルスの影響が広がる去年の春先以前は、外国人客もかなり訪れていたようです。

小雨が降ったり止んだりする中、土産物やお酒の店でちょこちょこ買い物などしながら歩きました。
昔ながらの丸いポストも印象的です。

銀山川の流れをさかのぼって温泉街の奥に進むと、少し川幅が広くなり、街並みが途切れて山につき当たります。

そこにあるのが白銀滝。
コンクリートの飛び石を渡った向こう岸には小さな展望台があり、滝の水しぶきを眺めることができます。
滝の上に見える赤い橋はせことい橋。
山の周辺は自然を活かした遊歩道になっており、その先にある延沢銀山廃坑洞と併せて散策コースになっているようですが、雨混じりの天候だったので今回はここまで。

山間の温泉街は、日が傾いてくると一気に気温が下がります。
11月とはいえ、指先がかじかむほどでした。

それでも、ガス灯に火が点る夕方以降がこの温泉街の最も美しい時間帯です。
多少冷え込んでも、宿にこもるのはまだもったいない(笑)

夕食の後、体も温まったのでもう一度外に出たら、さすがに人出も減って静かな夜景を独り占めできました。

12月には雪も降ったようなので、きっと情緒あふれる雪景色となったことでしょう。
県内でも雪の多い地域のため、真冬に訪ねるのは少し気合が必要かもしれませんが、一度は冬の風景も見てみたいです。

夜の玄関ロビー。
藤屋は客室が8室のみのため、あまり他の宿泊客と顔を合わせることはありませんでした。

2階のエレベーターホール。

ところどころにギャラリーのようなコーナーがあり、年代を感じさせる美術品が飾られています。

少し歪みのあるガラスの壁がレトロな雰囲気。
懐かしさと非日常感のバランスが絶妙です。

私たちの部屋の入口。
端っこの角部屋なので迷わずに済みました(笑)
銀山温泉 藤屋
http://www.fujiya-ginzan.com
銀山温泉
http://www.ginzanonsen.jp
帰省せず東京の自宅で過ごす年末年始は初めての経験で、新鮮だけれど何かしっくり来ないような気分です。
スーパーへ行けば売り場の正月マジックに乗せられ、予定にない蟹やら数の子やらをつい買い込んでしまったり(笑)
おかげで、ささやかな二人前おせちで過ごす予定が、思いのほかごちそう続きの年越しとなりました。
親しい人たちと会って話して一緒に過ごせる、そんな日常が早く戻ってくればいいなと思います。
感染者数が減少に転じる兆しも見えず、明るい新年とは言い難い状況ですが、萎縮しすぎず慣れすぎず、できることをして乗り越えたいところです。
ひとまず休暇中は家にこもり、放置していた写真の整理などしつつ淡々と過ごしています。
少し前になりますが、11月に山形県の銀山温泉を訪ねました。
去年は実家メンバーとの温泉旅行も計画しては延期しての繰り返しで、11月も感染拡大傾向となったため、結局私と夫の二人で行くことにしたのでした。

東京から3時間強、山形新幹線の大石田駅。
ここから銀山温泉までは車で30分ほどかかりますが、宿からマイクロバスで送迎してくれました。

駅のある町中から田園地帯を抜け、花笠音頭発祥の地と言われる徳良湖を通り、どんどん山の方へ。

山間を流れる銀山川が見えてきたら、銀山温泉の入口です。
白銀橋から先の温泉街には車両が入れないため、駐車場に車を停めて宿までは徒歩で向かいます。

今回のお宿、藤屋。
大正ロマンを感じさせる古い街並みの中で、ガラス張りのエントランスが目を引きます。
建築家の隈研吾氏によるリノベーションとのこと。

中はガラス面からの採光を活かし、灯りが抑えられていて、落ち着く暗めの空間です。
内側を暗くすることで外から見えにくくする効果もあるのでしょうね。

他の数組と同時に到着し、チェックインまで少し時間がありましたが、私たちの部屋は運よくすぐに用意ができるとのことで、そのままロビーで待たせてもらうことに。

ウェルカムドリンクのコーヒー、紅茶と一緒に、枝豆をすり潰したずんだ餡入りの古代米の大福を出してくれました。
ほどよく冷えてもちもちと柔らかく、とてもおいしかったです。
ずんだ大好物(笑)

ひと息ついた後、部屋に案内してもらいました。
光が透ける竹の壁の向こう側に上がり口があり、靴を脱いでスリッパに履き替えます。

館内は竹や木や和紙がふんだんに使われていて、隈研吾らしさを感じる空間です。
各部屋の入口も、部屋番号や目印になるものは何もなく、ドアノブすらありません。
一見するとただの壁ですが、よく見ると指を掛ける隙間と鍵穴があるのでドアだとわかる程度。
「時々迷子になるお客様もいるんですが、隈さんの方針なのですみません・・・」とスタッフの方は申し訳なさそうでしたが、これはこれでなかなか楽しいです。

私たちの部屋はS300、3階の一番端でした。
ドアを開けるとすぐそこにベッドルーム。
横にはシャワーブースとバスタブがありますが、バスタブと部屋の間に仕切りはなく、実用性よりお洒落感の強いデザインです。

ベッドのすぐ隣に洗面台という、ちょっと不思議な配置。

バスタブは一人でゆったり入れる大きさです。
お湯は張りませんでしたが、底がS字型に波打っているので、夫が歯を磨きながらラウンジチェアのように寛いでいました(笑)
ちなみに、部屋のお湯は温泉ではありません。

バスタブの横の木のドアはトイレです。

ベッドルームの先にわずかに段差のあるリビングスペースがあり、その先にダイニングがあります。
段差のところでスリッパを履き替えるのですが、室内で行き来する時にこれは少し面倒でした。
全体的に和の趣を取り入れたモダンな洋室ながら、見上げると高い天井に古い立派な梁が残っていて、歴史も感じられます。

壁際に座布団が2枚置かれているので座ることを想定しているのだと思いますが、床の間のようで何となく畏れ多い(笑)

一番奥がダイニングルーム。
食事は朝晩とも部屋出しで、ここでいただきました。
窓からは銀山川と温泉街が見渡せます。

横のキャビネットにはお茶セットと小さな液晶テレビ。
ドアの中には冷蔵庫や金庫や浴衣などがありました。
テレビはポータブル式ではないので、近くでじっくり見たい人には少々使いづらいかもしれません。

館内の廊下だけでなく、室内も生活感が極力排除されているようです。
クローゼットの扉も一瞬どこにあるかわからないように隠されていました。

壁の一部を開けるとそこがクローゼット。
エアコンのコントローラーやコンセントもこの中にあります。
感心する一方で、スマホやカメラのバッテリーの充電をする際に他にコンセントがほとんどないのはちょっと不便でした。

窓からの眺め。
川を挟んで向かい側の、古勢起屋別館の風格ある佇まいを堪能できます。
時々向こうからもこちらを眺めていたりします(笑)が、お互い常に窓際にいる訳ではないので、それほど気にはなりません。

荷物を整理し、ひと休みした後、周辺を散策してみました。
温泉街自体はこじんまりとしていて、ゆっくり1時間も歩けば回れる広さです。
藤屋はちょうど温泉街の真ん中あたりに位置しています。

銀山温泉には昔何度か来たことがありますが、古い建物がこれだけ残っていることに改めて感動します。
藤屋のように全館建て替えられた旅館もところどころにあるものの、街並みに調和していて違和感はありません。
足湯や飲食店を利用する若い人たちの姿も意外に多く、大学生の姪によると「若者も行くよ、映えるから」とのこと(笑)
新型コロナウィルスの影響が広がる去年の春先以前は、外国人客もかなり訪れていたようです。

小雨が降ったり止んだりする中、土産物やお酒の店でちょこちょこ買い物などしながら歩きました。
昔ながらの丸いポストも印象的です。

銀山川の流れをさかのぼって温泉街の奥に進むと、少し川幅が広くなり、街並みが途切れて山につき当たります。

そこにあるのが白銀滝。
コンクリートの飛び石を渡った向こう岸には小さな展望台があり、滝の水しぶきを眺めることができます。
滝の上に見える赤い橋はせことい橋。
山の周辺は自然を活かした遊歩道になっており、その先にある延沢銀山廃坑洞と併せて散策コースになっているようですが、雨混じりの天候だったので今回はここまで。

山間の温泉街は、日が傾いてくると一気に気温が下がります。
11月とはいえ、指先がかじかむほどでした。

それでも、ガス灯に火が点る夕方以降がこの温泉街の最も美しい時間帯です。
多少冷え込んでも、宿にこもるのはまだもったいない(笑)

夕食の後、体も温まったのでもう一度外に出たら、さすがに人出も減って静かな夜景を独り占めできました。

12月には雪も降ったようなので、きっと情緒あふれる雪景色となったことでしょう。
県内でも雪の多い地域のため、真冬に訪ねるのは少し気合が必要かもしれませんが、一度は冬の風景も見てみたいです。

夜の玄関ロビー。
藤屋は客室が8室のみのため、あまり他の宿泊客と顔を合わせることはありませんでした。

2階のエレベーターホール。

ところどころにギャラリーのようなコーナーがあり、年代を感じさせる美術品が飾られています。

少し歪みのあるガラスの壁がレトロな雰囲気。
懐かしさと非日常感のバランスが絶妙です。

私たちの部屋の入口。
端っこの角部屋なので迷わずに済みました(笑)
銀山温泉 藤屋
http://www.fujiya-ginzan.com
銀山温泉
http://www.ginzanonsen.jp
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