- No
- 399
- Date
- 2020.02.02 Sun
あさば(食事など)
あさばの夕朝食は基本的に部屋出しです。
夕食時間の少し前に担当の仲居さんが挨拶に来てくれました。
その後、私たちがロビーに出ている間に食事の準備を。

お箸の上に伏せて置かれた小さな豆皿は、食前酒のにごり酒を注ぐためのものでした。
お酒が飲めない私には、代わりに梅ジュース。

ナフキンに包んであった本日のお献立。
ご当主の手書きを印刷したものだそうです。

お酒のメニューに修善寺の地酒があったので、夫はそれを注文。
クーラーとしてわっぱに氷を敷き詰めた演出が素敵です。
私は温かいほうじ茶をお願いしましたが、食事とお茶の進み具合によって何度も湯飲みを交換してくれました。

最初の一皿は、寒竹の子と菜のり揚げ。
冬に採れるタケノコなのでしょうか、シャキシャキとして甘みがありました。

前菜の、新春盛肴。
竹の器には椎茸とキクラゲとキュウリの胡麻酢和え、それと猪の西京焼きに空豆。
猪はベーコンのような歯ごたえと香りです。

沢煮椀。
「具沢山」の意味も掛けているお椀物で、タケノコやウドなどの野菜が入った出汁に豚の背脂が散らしてあります。

お造りは、伊勢海老とヒラメとアオリイカ。
醤油と塩の他、伊勢海老の肝入りのソースが添えられ、いろいろなバリエーションが楽しめました。

鰆の炭火焼き。
小さな炭火コンロの網の上に乗った状態で運ばれ、部屋で盛り付けられます。
そのお皿もホカホカと温かく。
大根おろしには塩と大葉が混ぜてあり、小ぶりながら分厚い鰆を酢橘とおろしでいただきました。
家で焼く鰆とは明らかに何かが違う、と夫と感心しきり。

小さな湯飲みのような器で供されたのは、ずがに汁。
殻ごと砕いたモクズガニを長時間煮込んだもので、中には蓮芋が入っています。
濃厚なカニの風味。

大中寺芋とサバフグの衣揚げ。
大中寺芋は沼津周辺で採れる大型の里芋で、塩と辛子がよく合う上品な甘さ。
もうひとつは、本当はフグ白子のところ、内臓系が苦手な私のためにサバフグの身に替えてくれました。
どこへ行っても思うのが、おいしいものは大好きなのに少食胃弱で苦手食材が多く、色々と手間をかけてしまうのに完食できないという肩身の狭さと申し訳なさ。
健啖家の方々が本当に羨ましいです。

あさばの看板料理にもなっている、穴子黒米ずし。
真っ黒な古代米の黒米は修善寺の特産品として栽培され、この辺りの旅館や飲食店で提供されることも多いそうです。
少しプチプチとした雑穀の歯ごたえもある餅米といった感じで、穴子との組み合わせもとても気に入りました。

天城軍鶏たたき鍋は、仲居さんが部屋で調理してくれます。
少し粗めにたたいた軍鶏を箸で手早くまとめ、鍋の中に入れていく所作や手際の良さに見入ってしまいました。
こちらの主菜の一品は季節ごとに内容が変わりますが、軍鶏たたき鍋は秋から初春の比較的長い期間楽しめるとのこと。
春は田芹と太刀魚の吸鍋、夏は鮎の炭火焼きと鮎ご飯、秋は鱧と松茸の吸鍋と、どの季節も味わってみたくなります。

軍鶏も長ネギも絶妙な火の通りです。
好みで黒七味をかけても。

ここでご飯が登場しました。
お釜の中のご飯は見るからにつやつやの炊き上がり。

軍鶏を食べ終えた鍋の出汁の中に仲居さんが卵を溶き入れ、軽く煮立たせて火を止めます。

それをご飯にかけて玉丼のできあがり。
そんなのおいしいに決まっています(笑)
私はお腹がいっぱいでほんの少しにしてもらいましたが、夫はお代わりしていました。
カブのお漬物の盛り付けも何だかかわいいです。

甘味はメロン、くずきり、ブランマンジェがあり、夫はメロンを選択。

私が選んだブランマンジェは小ぶりで食後にちょうどよく、バニラ風味の優しい味でした。

最後にアイスクリーム。
この日はカボチャと、オレンジリキュールのグランマニエを使ったもの。
私がなかなか食べきらないので進行を遅めにしてくれたのだと思いますが、料理の間も空いたことで18時半から結局22時近くまでかかりました(笑)
いわゆる高級食材や派手なメニューはありませんが、どれも丁寧さが感じられ滋味深くしみじみとおいしい料理でした。

夕食後に仲居さんが再びお水やお茶セットを整え、食後のお茶菓子にパスタのかりんとうと蕎麦の実の金平糖を添えて退室。
仲居さんのお仕事は品の良さも手際の良さも求められ、本当に大変だなぁと頭が下がります。
大抵ぼんやりのんびりしている私には務まるはずもなく(笑)

翌朝、寝室からの眺めは薄いもやのかかった庭の風景。
冬枯れの枝に朝露の粒が乗って綺麗です。

居間から見える枝垂桜の枝も幽玄の趣き。
春に満開になる頃は、この木が正面に見える隣室「山吹」の指定が増えるそうです。

そして朝食。
クレソンの胡麻浸しと釜揚げしらす、おかかとわさびが最初に配膳されました。
ご飯は伊豆桂流米の新米とのこと。
(渓流米かと思ったら桂川を意味する「桂流コシヒカリ」という品種なんですね)
わさびとおかかを乗せ醤油を少し垂らして食べるのがおすすめということで、試してみたらこれが本当においしかった。
朝食でも、ふわふわの出汁巻き卵など温かいものは順次運ばれてくる形です。
大根と椎茸と手作り飛竜頭は、土鍋に入った状態から部屋での盛り付けでした。
そして貝類が苦手な私にはシジミの赤出汁の代わりに白味噌のお味噌汁、ありがたいです。

デザートの苺は紅ほっぺ。

ひとつひとつ丁寧にヘタが処理されているので、見た目も美しく食べやすいです。

最後に、黒豆で作った小さなお汁粉。
温泉で温まりそれなりに空腹で臨んだ朝食も、心地よく身体に染み渡り充分に満たされました。
あさば
http://asaba-ryokan.com/
夕食時間の少し前に担当の仲居さんが挨拶に来てくれました。
その後、私たちがロビーに出ている間に食事の準備を。

お箸の上に伏せて置かれた小さな豆皿は、食前酒のにごり酒を注ぐためのものでした。
お酒が飲めない私には、代わりに梅ジュース。

ナフキンに包んであった本日のお献立。
ご当主の手書きを印刷したものだそうです。

お酒のメニューに修善寺の地酒があったので、夫はそれを注文。
クーラーとしてわっぱに氷を敷き詰めた演出が素敵です。
私は温かいほうじ茶をお願いしましたが、食事とお茶の進み具合によって何度も湯飲みを交換してくれました。

最初の一皿は、寒竹の子と菜のり揚げ。
冬に採れるタケノコなのでしょうか、シャキシャキとして甘みがありました。

前菜の、新春盛肴。
竹の器には椎茸とキクラゲとキュウリの胡麻酢和え、それと猪の西京焼きに空豆。
猪はベーコンのような歯ごたえと香りです。

沢煮椀。
「具沢山」の意味も掛けているお椀物で、タケノコやウドなどの野菜が入った出汁に豚の背脂が散らしてあります。

お造りは、伊勢海老とヒラメとアオリイカ。
醤油と塩の他、伊勢海老の肝入りのソースが添えられ、いろいろなバリエーションが楽しめました。

鰆の炭火焼き。
小さな炭火コンロの網の上に乗った状態で運ばれ、部屋で盛り付けられます。
そのお皿もホカホカと温かく。
大根おろしには塩と大葉が混ぜてあり、小ぶりながら分厚い鰆を酢橘とおろしでいただきました。
家で焼く鰆とは明らかに何かが違う、と夫と感心しきり。

小さな湯飲みのような器で供されたのは、ずがに汁。
殻ごと砕いたモクズガニを長時間煮込んだもので、中には蓮芋が入っています。
濃厚なカニの風味。

大中寺芋とサバフグの衣揚げ。
大中寺芋は沼津周辺で採れる大型の里芋で、塩と辛子がよく合う上品な甘さ。
もうひとつは、本当はフグ白子のところ、内臓系が苦手な私のためにサバフグの身に替えてくれました。
どこへ行っても思うのが、おいしいものは大好きなのに少食胃弱で苦手食材が多く、色々と手間をかけてしまうのに完食できないという肩身の狭さと申し訳なさ。
健啖家の方々が本当に羨ましいです。

あさばの看板料理にもなっている、穴子黒米ずし。
真っ黒な古代米の黒米は修善寺の特産品として栽培され、この辺りの旅館や飲食店で提供されることも多いそうです。
少しプチプチとした雑穀の歯ごたえもある餅米といった感じで、穴子との組み合わせもとても気に入りました。

天城軍鶏たたき鍋は、仲居さんが部屋で調理してくれます。
少し粗めにたたいた軍鶏を箸で手早くまとめ、鍋の中に入れていく所作や手際の良さに見入ってしまいました。
こちらの主菜の一品は季節ごとに内容が変わりますが、軍鶏たたき鍋は秋から初春の比較的長い期間楽しめるとのこと。
春は田芹と太刀魚の吸鍋、夏は鮎の炭火焼きと鮎ご飯、秋は鱧と松茸の吸鍋と、どの季節も味わってみたくなります。

軍鶏も長ネギも絶妙な火の通りです。
好みで黒七味をかけても。

ここでご飯が登場しました。
お釜の中のご飯は見るからにつやつやの炊き上がり。

軍鶏を食べ終えた鍋の出汁の中に仲居さんが卵を溶き入れ、軽く煮立たせて火を止めます。

それをご飯にかけて玉丼のできあがり。
そんなのおいしいに決まっています(笑)
私はお腹がいっぱいでほんの少しにしてもらいましたが、夫はお代わりしていました。
カブのお漬物の盛り付けも何だかかわいいです。

甘味はメロン、くずきり、ブランマンジェがあり、夫はメロンを選択。

私が選んだブランマンジェは小ぶりで食後にちょうどよく、バニラ風味の優しい味でした。

最後にアイスクリーム。
この日はカボチャと、オレンジリキュールのグランマニエを使ったもの。
私がなかなか食べきらないので進行を遅めにしてくれたのだと思いますが、料理の間も空いたことで18時半から結局22時近くまでかかりました(笑)
いわゆる高級食材や派手なメニューはありませんが、どれも丁寧さが感じられ滋味深くしみじみとおいしい料理でした。

夕食後に仲居さんが再びお水やお茶セットを整え、食後のお茶菓子にパスタのかりんとうと蕎麦の実の金平糖を添えて退室。
仲居さんのお仕事は品の良さも手際の良さも求められ、本当に大変だなぁと頭が下がります。
大抵ぼんやりのんびりしている私には務まるはずもなく(笑)

翌朝、寝室からの眺めは薄いもやのかかった庭の風景。
冬枯れの枝に朝露の粒が乗って綺麗です。

居間から見える枝垂桜の枝も幽玄の趣き。
春に満開になる頃は、この木が正面に見える隣室「山吹」の指定が増えるそうです。

そして朝食。
クレソンの胡麻浸しと釜揚げしらす、おかかとわさびが最初に配膳されました。
ご飯は伊豆桂流米の新米とのこと。
(渓流米かと思ったら桂川を意味する「桂流コシヒカリ」という品種なんですね)
わさびとおかかを乗せ醤油を少し垂らして食べるのがおすすめということで、試してみたらこれが本当においしかった。
朝食でも、ふわふわの出汁巻き卵など温かいものは順次運ばれてくる形です。
大根と椎茸と手作り飛竜頭は、土鍋に入った状態から部屋での盛り付けでした。
そして貝類が苦手な私にはシジミの赤出汁の代わりに白味噌のお味噌汁、ありがたいです。

デザートの苺は紅ほっぺ。

ひとつひとつ丁寧にヘタが処理されているので、見た目も美しく食べやすいです。

最後に、黒豆で作った小さなお汁粉。
温泉で温まりそれなりに空腹で臨んだ朝食も、心地よく身体に染み渡り充分に満たされました。
あさば
http://asaba-ryokan.com/
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- category:2020.01 修善寺(あさば)