- No
- 209
- Date
- 2015.03.01 Sun
ホテルオークラ東京 オーキッドルーム
久々に休日出勤があり、水曜日にその代休を取りました。
本当なら家でのんびりするところですが、この貴重な平日休暇を何に使おうかと当然のごとく悪だくみを(笑)
いくつもある悪だくみプランの中から、ホテルオークラ東京に行ってみることにしました。
53年の歴史を持つオークラ本館は、今年の夏を最後に営業を終了し、新しく高層ビルに生まれ変わるのだそうです。
東京オリンピックに向けて、老朽化や耐震性の問題などがあるのでしょう。
が、特に海外からは、歴史ある日本モダニズム建築の解体を惜しむ声が後を絶たないとのこと。

本館のエントランスから入って正面奥にあるメインロビー。
花が咲いたように、テーブルと椅子が配置されています。
衝立の向こうにはピアノが置かれているらしく、1音ずつ丁寧な調律の音が聞こえていました。
オークラでは開業25周年の折、メセナ活動としてロビーでのコンサートを企画。
以来28年もの間、毎月25日にロビーコンサートを開催しているのだそうです。
夕方から30分程度の無料のミニコンサートで、楽器も演奏形態もジャンルもさまざま。
そしてこの日はショパンを中心としたピアノソロの日。
もちろん、今日ここに来た目的のひとつです。

ロビーの天井には、特徴的な意匠の照明が規則的に吊り下げられています。
このホテルのパブリックスペースでは、このオークラ・ランタンをあちこちで見ることができます。
窓枠にはめ込まれた障子や麻の葉文様の陰影も、とても印象的。

ロビーの端には大きな雛飾りが置いてありました。
もうすぐ桃の節句ですね。

エントランスから数段掘り下げられた床に、安定感のある低めの椅子。
平日の昼下がりのロビーは、淡々と進んでいくピアノのチューニング音の他には大きな物音もなく、静かです。
何人かが思い思いの場所でくつろいだり人を待っていたり。
旅行客かビジネス客か、欧米人ゲストの姿も目立ちます。

窓際にピアノを置くために、テーブルと椅子は普段よりかなり手前に寄せてあるようです。
通常のゆったりした配置だったら、また違った空気感なのでしょうね。

ロビー横にある、オーキッドルームに入りました。
数組のお客さんがティータイムを楽しんでおり、女性一人客は私も含めて4組ほど。
オーキッドという名前のとおり、店内のあちこちに蘭の花が飾られています。
こちらの天井にも、オークラ・ランタン。

アフタヌーンティーセットを注文しました。
紅茶はテイラーズのピュアアッサムを。
ティーセットやティーコジーにも可憐な蘭の絵が描かれています。

3段のティースタンド。

サンドイッチはキュウリ、サーモンにハムとオーソドックスな組み合わせ。
このサンドイッチもさることながら、オリーブとガーキンのピクルスが、意外なほどにおいしい名脇役でした。

さくさくのスコーンと、しっとりしたパウンドケーキ。

小さなショートケーキ、フルーツタルト、レモンのマカロン。
変にアレンジされていない、正統派のアフタヌーンティーメニューです。

スコーンには、バター、ジャム、クロテッドクリームを用意してくれます。
クロテッドクリームが好きで、結局そればかり減るのですが(笑)
全体の量は控えめで、私にはちょうどいい感じでした。
ここでは、注文後に15分かけて焼き上げるフレンチトーストも絶品だそうです。
それも食べてみたい・・・。

ロビーに戻ってくると、衝立が外されたグランドピアノでピアニストがリハーサルをしていました。
コンサート開始時間までは2時間近くもあるのに、ロビーの椅子は8割方埋まっています。
のんびりお茶をおかわりしてる場合じゃなかったと、慌てて椅子を確保。
1時間前になると、ロビーを取り巻くソファや吹き抜けの上階も含めてほぼ満席になり、階段に座って場所を取る人も。
こんなに人が集まるとは思っていませんでした。
ロビーコンサート、人気なんですね。
座り心地のいい椅子で本を読みつつ、開演を待ちました。
ただ、最近は電子書籍メインなのですが、何だかこういう場所にはiPadより紙の本の方がしっくり来るな、とふと思ったり。

夕暮れが迫ると、ロビーはいっそう落ち着いた素敵な雰囲気になります。
但し、人が集まりすぎてもう静けさはどこにもありません(笑)
このコンサートはサントリーが協賛しているため、開演直前にはスパークリングワインが無料でふるまわれ、会場は少し華やいだ空気に。
いいなぁ。
下戸っていろんなところで残念だなぁ。
さて、ようやく18時の開演です。
ピアニストは高橋多佳子さん。
演奏曲は以下の4曲でした。
1. ショパン:ノクターン 第2番 変ホ長調 作品9-2
2. ショパン:ワルツ 第6番 変ニ長調「子犬」作品64-2
3. ショパン:バラード 第1番 ト短調 作品23
4. リスト:ハンガリー狂詩曲 第12番
ショパンのバラードは1番と4番が好きなのですが、初めてライブで聴けてうっとり幸せです。
あんなに弾けたら楽しいだろうな。
もう1曲を期待してしつこく拍手してみましたが、アンコールはありませんでした。
さすがに欲張りですかね(笑)

ピアノの余韻が残るロビーを、大勢のお客さんが談笑しながら後にしていきます。
次回3月のロビーコンサートは、コントラバスでシューベルトやピアソラなどの予定だそうです。
コントラバスもいいなぁ。
次もまた水曜日だけど、外出直帰でも仕組めば来れなくもないか・・・?
ああでも、コンサート仕様でない本来のメインロビーも、一度は見てみたい。
(とまた目まぐるしく悪だくみ発動中)

本館を、正面入口から見たところ。
改めて見ると、日本的なデザインが随所に活かされた、とても趣のある設計です。
解体されると聞いて急に見に来る私のような人間にも惜しい気がするのに、昔からの思い出がある人にとってはなおのことでしょうね。
東京での2度のオリンピックをつなぐ期間、日本のおもてなし文化を支えてきた矜恃が感じられます。

隣の敷地にある少し背の高い建物が、別館である南館。
本館の建て替え期間中は、別館のみの営業になるそうです。
ホテルオークラ東京
http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/
本当なら家でのんびりするところですが、この貴重な平日休暇を何に使おうかと当然のごとく悪だくみを(笑)
いくつもある悪だくみプランの中から、ホテルオークラ東京に行ってみることにしました。
53年の歴史を持つオークラ本館は、今年の夏を最後に営業を終了し、新しく高層ビルに生まれ変わるのだそうです。
東京オリンピックに向けて、老朽化や耐震性の問題などがあるのでしょう。
が、特に海外からは、歴史ある日本モダニズム建築の解体を惜しむ声が後を絶たないとのこと。

本館のエントランスから入って正面奥にあるメインロビー。
花が咲いたように、テーブルと椅子が配置されています。
衝立の向こうにはピアノが置かれているらしく、1音ずつ丁寧な調律の音が聞こえていました。
オークラでは開業25周年の折、メセナ活動としてロビーでのコンサートを企画。
以来28年もの間、毎月25日にロビーコンサートを開催しているのだそうです。
夕方から30分程度の無料のミニコンサートで、楽器も演奏形態もジャンルもさまざま。
そしてこの日はショパンを中心としたピアノソロの日。
もちろん、今日ここに来た目的のひとつです。

ロビーの天井には、特徴的な意匠の照明が規則的に吊り下げられています。
このホテルのパブリックスペースでは、このオークラ・ランタンをあちこちで見ることができます。
窓枠にはめ込まれた障子や麻の葉文様の陰影も、とても印象的。

ロビーの端には大きな雛飾りが置いてありました。
もうすぐ桃の節句ですね。

エントランスから数段掘り下げられた床に、安定感のある低めの椅子。
平日の昼下がりのロビーは、淡々と進んでいくピアノのチューニング音の他には大きな物音もなく、静かです。
何人かが思い思いの場所でくつろいだり人を待っていたり。
旅行客かビジネス客か、欧米人ゲストの姿も目立ちます。

窓際にピアノを置くために、テーブルと椅子は普段よりかなり手前に寄せてあるようです。
通常のゆったりした配置だったら、また違った空気感なのでしょうね。

ロビー横にある、オーキッドルームに入りました。
数組のお客さんがティータイムを楽しんでおり、女性一人客は私も含めて4組ほど。
オーキッドという名前のとおり、店内のあちこちに蘭の花が飾られています。
こちらの天井にも、オークラ・ランタン。

アフタヌーンティーセットを注文しました。
紅茶はテイラーズのピュアアッサムを。
ティーセットやティーコジーにも可憐な蘭の絵が描かれています。

3段のティースタンド。

サンドイッチはキュウリ、サーモンにハムとオーソドックスな組み合わせ。
このサンドイッチもさることながら、オリーブとガーキンのピクルスが、意外なほどにおいしい名脇役でした。

さくさくのスコーンと、しっとりしたパウンドケーキ。

小さなショートケーキ、フルーツタルト、レモンのマカロン。
変にアレンジされていない、正統派のアフタヌーンティーメニューです。

スコーンには、バター、ジャム、クロテッドクリームを用意してくれます。
クロテッドクリームが好きで、結局そればかり減るのですが(笑)
全体の量は控えめで、私にはちょうどいい感じでした。
ここでは、注文後に15分かけて焼き上げるフレンチトーストも絶品だそうです。
それも食べてみたい・・・。

ロビーに戻ってくると、衝立が外されたグランドピアノでピアニストがリハーサルをしていました。
コンサート開始時間までは2時間近くもあるのに、ロビーの椅子は8割方埋まっています。
のんびりお茶をおかわりしてる場合じゃなかったと、慌てて椅子を確保。
1時間前になると、ロビーを取り巻くソファや吹き抜けの上階も含めてほぼ満席になり、階段に座って場所を取る人も。
こんなに人が集まるとは思っていませんでした。
ロビーコンサート、人気なんですね。
座り心地のいい椅子で本を読みつつ、開演を待ちました。
ただ、最近は電子書籍メインなのですが、何だかこういう場所にはiPadより紙の本の方がしっくり来るな、とふと思ったり。

夕暮れが迫ると、ロビーはいっそう落ち着いた素敵な雰囲気になります。
但し、人が集まりすぎてもう静けさはどこにもありません(笑)
このコンサートはサントリーが協賛しているため、開演直前にはスパークリングワインが無料でふるまわれ、会場は少し華やいだ空気に。
いいなぁ。
下戸っていろんなところで残念だなぁ。
さて、ようやく18時の開演です。
ピアニストは高橋多佳子さん。
演奏曲は以下の4曲でした。
1. ショパン:ノクターン 第2番 変ホ長調 作品9-2
2. ショパン:ワルツ 第6番 変ニ長調「子犬」作品64-2
3. ショパン:バラード 第1番 ト短調 作品23
4. リスト:ハンガリー狂詩曲 第12番
ショパンのバラードは1番と4番が好きなのですが、初めてライブで聴けてうっとり幸せです。
あんなに弾けたら楽しいだろうな。
もう1曲を期待してしつこく拍手してみましたが、アンコールはありませんでした。
さすがに欲張りですかね(笑)

ピアノの余韻が残るロビーを、大勢のお客さんが談笑しながら後にしていきます。
次回3月のロビーコンサートは、コントラバスでシューベルトやピアソラなどの予定だそうです。
コントラバスもいいなぁ。
次もまた水曜日だけど、外出直帰でも仕組めば来れなくもないか・・・?
ああでも、コンサート仕様でない本来のメインロビーも、一度は見てみたい。
(とまた目まぐるしく悪だくみ発動中)

本館を、正面入口から見たところ。
改めて見ると、日本的なデザインが随所に活かされた、とても趣のある設計です。
解体されると聞いて急に見に来る私のような人間にも惜しい気がするのに、昔からの思い出がある人にとってはなおのことでしょうね。
東京での2度のオリンピックをつなぐ期間、日本のおもてなし文化を支えてきた矜恃が感じられます。

隣の敷地にある少し背の高い建物が、別館である南館。
本館の建て替え期間中は、別館のみの営業になるそうです。
ホテルオークラ東京
http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/
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