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date :2020年11月

The Okura Tokyo(ホテルオークラ東京)

10月の終わりに、The Okura Tokyoに宿泊しました。
ここのところ出かけるのは通勤圏の近場ばかりで、せいぜい「Go To 隣の区」ぐらいの私たち夫婦です(笑)



ホテルオークラが全面改築となり、2019年にリニューアルオープンしました。
プレステージタワーとヘリテージウィングの2棟からなる新生The Okura Tokyoで、今回はより静かに過ごせそうなヘリテージウィングの部屋を予約。
政府のGo To トラベルキャンペーンに東京が追加された影響か、チェックイン時間にはヘリテージのフロントも混雑しており、少し待ってからの案内となりました。
客室階のエレベーターホール、品よく落ち着いた雰囲気です。



内廊下も静謐な和の印象。



ホテル全体が勾配のある土地に建つため、ロビーのあるグランドフロアが5階に設定されています。
予約したバルコニー付きのヘリテージルームは低層階に位置し、私たちの部屋はロビー階のすぐ上の6階でした。
ドアから中に入ると正面にバスエリア、左手にベッドルームという配置です。



入口近くのデスクはカウンターのような形状。
ホテルからのお知らせとともに、消毒用のアルコールスプレーが用意されていました。



ベッドの足元の壁には液晶テレビ。
用意された白いパジャマは上下セパレートの着やすいデザインでした。



バルコニー側のリビングスペースは、全体の広さからするとこじんまりしていますが、硬さもちょうどよく座りやすいソファです。



部屋でのチェックインの後、スタッフがウェルカムドリンクとしてお茶とお菓子を持ってきてくれました。
2種類のあられは、よく見るとアンダーズ東京の部屋に置いてあったのと同じ「虎ノ門 きや」のもの。
ひとつは夕食前に夫がビールのおつまみに開けましたが、期待にたがわぬおいしさです。
これ買って帰りたいなぁとネットで調べ、土日祝日が休業日なのを知って落胆するところまで、アンダーズの時と同じ反応をしてしまいました(笑)



ソファから見たベッドルーム全景。
デスクの左手にあるキャビネットの中には、冷蔵庫やエスプレッソマシン、電気ケトルなどが用意されています。
上部に吊り下げられているのは、折り紙で作られたくす玉。



冷蔵庫の中のドリンクはフリーで、いつも目いっぱい部屋に引きこもる私たちには嬉しいサービス。



ドリンクと一緒に、ピエールマルコリーニとオークラのコラボチョコレートも置いてありました。
新型コロナの感染予防の一環でターンダウンサービスが省略されていましたが、おそらく通常はその時に持ってくるものでしょうね。
マルコリーニは大好きなので、これも部屋でのお茶タイムにいただきました。



ミネラルウォーターも、冷蔵庫以外にキャビネットの中と洗面所にも用意されていて、とてもありがたいです。
ラベルはオークラオリジナルで、中身は国産老舗のFUJIウォーターでした。



引き出しのお茶とコーヒーカートリッジ。



その下にはカップ類。
底部には「The Okura Heritage」とあり、ヘリテージとプレステージでホテルブランドを分けているようです。



キャビネットの一番下には朱色の箱があり、スタッフが「玉手箱」と呼んでいました。
中にはホテルからの和小物ギフトがいろいろ。
扇子や麻の葉模様の巾着は実用品として使えそうだし、紙風船や折り紙もかわいいです。
折り紙は、キャビネットの上に飾ってあるくす玉を構成するお花のひとつが作れるようです。



ソファコーナーの横にはバスルームへの入口。
この部屋は、玄関スペースとベッドルームとバスルームを完全に仕切れますが、それぞれのドアが巧妙に壁に隠されていて、フルオープンでもまったく違和感のないつくりになっていました。
室内をどの方向からも回れるのは楽しいし、動線が楽でいいと思います。



シックな洗面エリア。
ダブルベイシンで助かりますが、ボウルは少し小さめです。
右手奥にはスチームサウナがあり、スイッチを入れて40分ほどで使えるとのこと。
サウナはあまり得意ではないので、残念ながら使いませんでしたが。



バスアメニティはオーガニックブランドのbamfordで、他にTHREEのスキンケアセットも用意されていました。
クレンジングとソープ、ローション、エマルジョン、クリームの5品にコットンのセットで、早速使おうと思いましたが、白い小箱に入った小さなセットがかわいくてもったいなくなり、そのまま貰って帰りました(笑)



その他、歯ブラシやヘアブラシなどは洗面台の引き出しの中に。
歯ブラシは極細の柔らかい毛質で、私の好みでした。
ここにもTHREEのバスソルトジェル(ボディ用のジェルスクラブとしても使えるそうです)があり、いい香りのバスタイムとなりました。



バルコニーに面したバスルーム。
自分で掃除する必要がなく、お湯もあっという間にたまる広いバスタブは、ホテル泊の醍醐味だったりします。
ブラインドを上げたり下げたり、テレビも付けたり消したり、庶民なのであれこれ使い倒します(笑)



シャワーはハンドとレインシャワーの2種類ありました。
新しいホテルはどこもかしこも綺麗で気持ちがいいです。



バスエリアから玄関側のドアの向こうには、ウォークインクローゼットがあります。
スリッパもここに置いてあり、サイズは同じで黒(もしくは濃紺)と茶の色違いでした。



そして玄関のすぐ右手にあるトイレ。
これで室内一周です。



オークラ庭園に面したバルコニー。
坂道を挟んで隣にはアメリカ大使館、正面には虎の門病院というロケーションですが、目の前が開けているので圧迫感はありません。



足元の庭園からは鳥の声も聞こえ、こんな都心にも野鳥はいるんだなと感心したりしました。
少し肌寒い日でしたが、気持ちのよいバルコニーでした。



ヘリテージウィングとプレステージタワーは、ロビー階が通路でつながっており、外に出ずに行き来することができます。
夕食のため、通路を通ってプレステージタワーに向かいました。



プレステージのフロントロビーは建て替え前の旧本館の雰囲気を色濃く引き継いでいます。
オークラらしい格式ある品の良さ。



エレベーターで最上階41階のバー、スターライトへ。
開業1周年記念で軽めのディナープランがあったので予約したところ、窓際のラウンジテーブルに案内してもらえました。
大きな窓から見える夜景も、ガラスに映り込む店内の照明も美しく、大人向けのホテルのバーといった空間。
Go To トラベルでかなりお得な故の宿泊でしたが、思いのほか豪華になったので、後付けで「結婚記念日が近いから」という理由を作りました(笑)



コースの始まりは、お祝いの前菜三種。
フルーツと生ハムに、鯛のカルパッチョ、ソフトシェルクラブのチリソース添えです。
グラス1杯分ずつのシャンパンが付いていましたが、私はお酒が飲めないので、ナガノパープルのノンアルコールカクテルに替えてもらいました。



小さな器に入ったヴィシソワーズ。



鶏むね肉ときのこのパスタクリームソース。
この1皿がちょっとボリューミーだったので、最近以前に増して少食の私はお腹いっぱいになってしまいました。
軽めと思った私が甘かったです(笑)



その後、メインに国産牛サーロインのグリルと太刀魚のカダイフ包み揚げ。
サーロインは青じそのソース、カダイフ揚げは野菜のソースでさっぱりとした味わいでしたが、やはり完食できず残念。



デザートとして、シェフパティシエ感謝の一皿。
くるくる巻かれていないストレートなモンブランがお洒落です。
アイスクリームは「洋梨」と聞こえましたが、「洋酒」だったかもしれません。
コーヒーと紅茶をそれぞれいただいて、ごちそうさまでした。



食後にエレベーターでロビー階へ。
旧本館のロビーには行ったことがありますが、あの美しい空間がほぼそのまま復元されているのには思わず感動を覚えました。
通路には、オークラのホテルロビーの歴史について写真と説明が展示されています。
夫はそれを読み、その心意気と矜持に感嘆しきり。



周囲より数段低くなったフロアに、梅の花のように配されたテーブルと椅子。
オークラ・ランタンの雅な輝き。
人のいないロビーを眺めたり寛いだりと、贅沢なひと時を過ごしました。



翌日の朝食は、部屋のタイプ別に指定されたレストランの中から選べますが、宿泊客も多く混みそうだったので、唯一予約可能なヌーヴェル・エポックにしました。
スペシャリテのフレンチトーストを食べてみたかったことも理由の一つです。
前日の夕方に予約の電話をしたら、既に早い時間しか空きがなく、いつもブランチ並みにのんびりする私たちにしては驚異的な早さの7時半開始となりました。
しかもフレンチトーストは前の晩から仕込むようで、予約時に注文予定数の確認があり、やっぱり人気なんだなと改めて思った次第。



ヌーヴェル・エポックはヘリテージウィングの5階に位置し、庭園に面した明るいレストランです。
朝食は3種類のコースがあり、夫は卵料理がメインのアメリカンブレックファスト、私はエッグベネディクトまたはフレンチトーストがメインの「Beau Jardin」にしました。
予定通りフレンチトーストを選びましたが、ヘリテージ宿泊客はそれ以外のコースからも好きなメニューを追加可能とのこと。
それはすごいと、少食なのに思わずアメリカンブレックファストについているヨーグルトを追加してしまいました。
隣のテーブルの男性はほぼ夫と私の二人分のメニューを平らげていたようで、健啖家というのは本当に羨ましい限りです。



紅茶と野菜ジュースの後にヨーグルトを持ってきてくれましたが、予想外のポーションの大きさ。
やっぱり高級フレンチの朝食を甘く見てはいけませんね(笑)
もちろんとてもおいしいヨーグルトで、プルーンのコンポートもアカシアの蜂蜜もよく合いました。
ちなみに「北海道根釧地区生乳100%ヨーグルト」「北海道産低脂肪プレーンヨーグルト」の2種類が用意されています。



身体に優しい野菜を使った彩りのサラダと麹のドレッシング。
こちらは普通サイズで助かりました。
人参のドレッシングが美味。



夫の頼んだスクランブルエッグとベーコン。
卵の調理法と、ウィンナーやハム、ベーコンなどのサイドミートを指定する形でした。



アメリカンブレックファストは、モーニングロールかトーストの二択でパンが選べます。
モーニングロールの場合は、カゴ盛りのパンから好きなものを。
パンは甘めのものが多いようでした。



そして私のフレンチトースト。
バターの香りが立ちのぼり、ナイフで切ると卵液とパンが見事なまでに一体化したしっとり濃厚な仕上がりです。
これは確かに唯一無二のフレンチトーストだと、食べながら思わずふふふと笑ってしまいました。
私には少し量が多かったので、夫にも少しお裾分け。



好みで、更にバターや蜂蜜を足しても楽しめます。



最後にフルーツ。
華やかながら静かで落ち着いた空間で、朝からきちんとしたカトラリーや食器を使い、幸せな気持ちになる朝食でした。



早めの朝食、しかも席の予約は1時間ということで、食後にものすごく時間の余裕ができました(笑)
せっかくなので、ホテル内外をあちこち散歩。
ヘリテージウィングのロビーから階段を下りた4階には、和食レストランの山里があります。
天井から吊るされたクリスタルのようなオブジェと、陰影のある階段の表情に心惹かれました。



ヘリテージのロビーはプレステージよりもシンプルでこじんまりとしていますが、どこか引き算の美学も感じさせる空間です。



感染症予防対策の一環で、ヘリテージウィングの正面玄関が23時から10時30分までクローズされるため、その間外に出るには連絡通路を通ってプレステージタワーのエントランスまで行く必要があります。
フロントスタッフがとても申し訳なさそうに案内してくれました。



そして、プレステージタワーに行けばいちいちこのロビーに足を止めてしまう私たち(笑)



正面のエントランスや車止めも、プレステージの方が広々としたつくりです。
建物の規模も大きいし、ホテル全体としてはこちらの棟がメインになるのでしょうね。



ホテルの敷地内、プレステージタワーの正面にある大倉集古館は、日本で最初の私設美術館だそうです。
宿泊客は無料で鑑賞できますが、私たちはまたの機会に。



オークラ庭園に行ってみようと、ホテルのゲートを出て坂道沿いの階段を下りました。
あちこちに年代物の灯籠や石碑などが配置されています。



庭園内には遊歩道があり、ちょっとした散歩が楽しめます。
鳥の声を聞きながら砂利を踏む感触も心地よく、たまに早起きもするもんだなぁと思いました。



今回は、宿泊予約サイトの会員特典でチェックアウトが13時。
散策の後、部屋に戻ってコーヒーを飲みながら時間までゆっくり過ごし、ステイケーションを満喫しました。



チェックアウト後、せっかく虎ノ門にいるんだしと愛宕神社に行ってみることにしました。
神社はホテルから虎ノ門ヒルズを通り過ぎて少し歩いたところにあります。
赤い鳥居に見上げるばかりの急階段が「出世の石段」。
通りすがりの参拝客が「出世の上り階段だからね、途中で振り返っちゃ駄目らしいよ」と話していたので、なるほどそういうものかと夫と二人で一気にてっぺんまで上り、さすがに息がきれました。
よく考えたら私はそんなに出世する気もなかったのですが(笑)



石段の先の本殿には、密にならない程度の参拝客が並んでいました。
車で本殿の横まで上って来ることもできるようです。



境内の池には鯉がたくさんいて、参拝客がまく餌に勢いよく集合。
こちらは完全に密です(笑)



参拝後に階段を下りようと眺めていたら、今度は男の子の手を引いて上ってきたお父さんが「出世の階段下りたらややこしいことになるから、ここから下りちゃ駄目だぞ」と話していたので、またなるほどと思い、奥にある少し緩やかな別の階段から下りることにしました。
予習なしの参拝だったので、見知らぬ人の会話に影響されまくりです(笑)



境内の庭には猫もいて、参拝客の笑顔を誘っていました。
都内に住んでいても、生活圏内の有名な寺社仏閣や史跡などには意外と行きませんが、やっぱり一度は行ってみるものですね。
帰りがてら、虎ノ門ヒルズのお蕎麦屋さんで遅いお昼を食べて帰宅。
いい気分転換になった週末でした。


The Okura Tokyo
https://theokuratokyo.jp/

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AKI

AKI:
旅行と写真が好き。

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