- No
- 392
- Date
- 2019.10.13 Sun
横手(増田)
赤湯温泉から山形へ移動し、実家メンバーと合流してそのまま秋田へ向かいました。

父が、次回私たちが帰省したら本場の稲庭うどんを食べに連れて行こうと思っていたようです。
先日母や妹とドライブを兼ねて下調べに行き、「こないだの店はなかなかうまかった」「開店1周年記念でこの連休中は半額になるんだ」とのことで、さすが抜かりないなと思いました(笑)

隣県とはいえ、東北六県はどこも面積が広いので結構な距離があります。
進むほど黄金色になる稲穂を眺めつつ北へと向かい、秋田県の湯沢市稲庭町に到着したところ、目当ての稲庭うどん店は何と3時間待ちでした。
半額となるとやっぱり客足も普段以上なんでしょうね。
この辺りは発祥の地だけあって近隣に何軒も稲庭うどん店がありますが、お昼時はどこもそこそこの混み具合。
とりあえず次の目的地である横手市増田に行き、そこで食べようということになりました。

稲庭町から30分ほどで増田へ。
稲庭うどんの老舗である佐藤養助商店が経営する漆蔵資料館があり、そこに車を停めました。

資料館の中にある食事処「養心庵」で無事にテーブルを確保。
こじんまりとした店舗ですが、程よく落ち着けてよかったです。
私は二味せいろを注文。
醤油つゆと胡麻味噌つゆの二種類でシンプルに麺のおいしさがが楽しめます。
稲庭うどんは太さも歯応えも喉越しも私の好みで、うどんの中では一番好きかもしれません。

夫は海老天おろし。
結局、この前の店もすごくよかったし半額を逃したのは残念だが佐藤養助の稲庭うどんはやっぱりうまい、という結論となり一同満足しました(笑)

食後、同じ建物内にある漆蔵を見学。
増田はかつて裕福な商家が立ち並ぶ豪商の街だったことから、防雪や防火のために頑丈な蔵を家の内部に造り、貴重品はすべてその中で保管したそうです。
その全国でも珍しい「内蔵」が文化財として保存されており、何軒かは中に入って見学も可能になっています。

ここは元は大地主の旧宅だったものを、佐藤養助商店が買い取って資料館として運営しているとのこと。
蔵の1階には、宮内庁御用達でもある佐藤養助商店の歴史や稲庭うどんに関わる資料が展示されていました。
ちなみに、うどんを食べなくても入館料は無料です。

蔵の2階は一面艶々とした漆塗りが圧巻。
床材保護のため、上れるのは一度に10名までと制限されています。
これは手入れが大変そうですね。
天上の梁も極太で、建造時の財力のほどがうかがえます。

階段もぴかぴかです。
滑って踏み外さないように慎重に。

内蔵の横の通路。
独立した普通の蔵と同じ頑丈さで造られており、これが家の中にあるのはやっぱり不思議な感じがします。
2階の扉を外から閉めるために空中に通路があるのも、増田独特の仕様。

その奥には古い喫茶店を保存したレトロな空間がありました。
他に稲庭うどんや秋田土産が並ぶ売店もあり、なかなか楽しめる施設でした。

漆蔵資料館を出て増田の蔵町通りへ。
今日はお祭りとのことで先ほどまで車両通行が規制されていましたが、うどんを食べている間に解除されたようです。

蔵とは直接関係ないのですが、通り沿いにある「いしころや」(正式名称は不明)に入ってみました。
数百円からの鉱石や化石など様々な天然石が並んでいて、石好きの夫や妹が宝探し感覚で物色。
年配の店主がバリバリの秋田弁で接客してくれるのですが、その絶妙な緩さが面白いのです。
何でも「石のことは何も知らないが、たまたま知り合いが山ほど集めた石があり、ここで店を開いたら観光客が通るから店番しとけと言われて、暇だからやっている」らしいです(笑)
中には博物館に置くような貴重な石もあり、都会の人に「鍵もかけないでこんなとこに置いといちゃ駄目だよ」と注意されたとか。
何ともクセになる楽しい店でした。

その向かいには「まちの駅福蔵」という店舗。
お土産屋と飲食店になっています。
稲庭うどんの切れ端が大袋で売られていて、ちょっと食指が動きました。

その奥にも立派な内蔵があります。
お店の方が「この蔵ごと買わねぇ?安くしとくよ」と冗談を飛ばしていました。
文化財ともなると維持するのも結構大変なようですね。

棚にはこけしがたくさん。
祖父の家に昔こういうのあったなあと懐かしく思い出します。

通りの先には、ひときわ目を引く木造三階建ての旧石田理吉家。
ここは横手市が管理しており有料です。
中は残念ながら撮影禁止ですが、説明員がついて丁寧かつ簡潔に説明してくれます。
説明嫌いで自由に見たい母は途中で飽きていましたが(笑)

ここは元々すぐ隣の住宅から繋がっていて、居宅ではなく応接用の離れだったそうです。
離れ部分だけが横手市寄贈により公開され、故に玄関らしい玄関がありません。
中には立派な内蔵があり、その他1階から3階までは客人をもてなすための和洋の部屋が並ぶという贅沢な造り。
3階はおそらく横手の花火大会や月見を楽しむのに使ったのでしょうとのこと。
階段での上り下りはちょっと大変ですが、街の有力者の趣味や当時の建築様式が垣間見れて面白かったです。

蔵町通りのその他の古い建物も気になりましたが、あまり時間がなくなってきたため、最後の目的地に向かいました。
横手市増田まんが美術館。
「釣りキチ三平」の作者である矢口高雄さんがこの地の出身であることから作られたものです。
有名作品の原画が展示されていたり膨大な漫画が無料で読めたり、読むためのスペースも座ったり寝転んだり狭い空間に篭ったりととてもユニーク。
暑くてどこにも行きたくない日など、1日中でもいられそうです。
貴重な原画の散逸や劣化を防いて保管したり、デジタルアーカイブ化したりという機能も果たしており、漫画を日本文化として育てるならば確かにそういう役割は必要だなと思いました。
稲庭はともかく増田という地名は知らなかったのですが、地域独特の文化に触れるのは楽しいですね。
少々強引なところもありますが(笑)あちこち連れて行ってくれる父には感謝です。
横手市役所|増田 ~内蔵のある町~
https://www.city.yokote.lg.jp/tokusetsu/masuda/index.html
漆蔵資料館
https://www.sato-yoske.co.jp/shop/urushigura/
横手市増田まんが美術館
http://manga-museum.com/

父が、次回私たちが帰省したら本場の稲庭うどんを食べに連れて行こうと思っていたようです。
先日母や妹とドライブを兼ねて下調べに行き、「こないだの店はなかなかうまかった」「開店1周年記念でこの連休中は半額になるんだ」とのことで、さすが抜かりないなと思いました(笑)

隣県とはいえ、東北六県はどこも面積が広いので結構な距離があります。
進むほど黄金色になる稲穂を眺めつつ北へと向かい、秋田県の湯沢市稲庭町に到着したところ、目当ての稲庭うどん店は何と3時間待ちでした。
半額となるとやっぱり客足も普段以上なんでしょうね。
この辺りは発祥の地だけあって近隣に何軒も稲庭うどん店がありますが、お昼時はどこもそこそこの混み具合。
とりあえず次の目的地である横手市増田に行き、そこで食べようということになりました。

稲庭町から30分ほどで増田へ。
稲庭うどんの老舗である佐藤養助商店が経営する漆蔵資料館があり、そこに車を停めました。

資料館の中にある食事処「養心庵」で無事にテーブルを確保。
こじんまりとした店舗ですが、程よく落ち着けてよかったです。
私は二味せいろを注文。
醤油つゆと胡麻味噌つゆの二種類でシンプルに麺のおいしさがが楽しめます。
稲庭うどんは太さも歯応えも喉越しも私の好みで、うどんの中では一番好きかもしれません。

夫は海老天おろし。
結局、この前の店もすごくよかったし半額を逃したのは残念だが佐藤養助の稲庭うどんはやっぱりうまい、という結論となり一同満足しました(笑)

食後、同じ建物内にある漆蔵を見学。
増田はかつて裕福な商家が立ち並ぶ豪商の街だったことから、防雪や防火のために頑丈な蔵を家の内部に造り、貴重品はすべてその中で保管したそうです。
その全国でも珍しい「内蔵」が文化財として保存されており、何軒かは中に入って見学も可能になっています。

ここは元は大地主の旧宅だったものを、佐藤養助商店が買い取って資料館として運営しているとのこと。
蔵の1階には、宮内庁御用達でもある佐藤養助商店の歴史や稲庭うどんに関わる資料が展示されていました。
ちなみに、うどんを食べなくても入館料は無料です。

蔵の2階は一面艶々とした漆塗りが圧巻。
床材保護のため、上れるのは一度に10名までと制限されています。
これは手入れが大変そうですね。
天上の梁も極太で、建造時の財力のほどがうかがえます。

階段もぴかぴかです。
滑って踏み外さないように慎重に。

内蔵の横の通路。
独立した普通の蔵と同じ頑丈さで造られており、これが家の中にあるのはやっぱり不思議な感じがします。
2階の扉を外から閉めるために空中に通路があるのも、増田独特の仕様。

その奥には古い喫茶店を保存したレトロな空間がありました。
他に稲庭うどんや秋田土産が並ぶ売店もあり、なかなか楽しめる施設でした。

漆蔵資料館を出て増田の蔵町通りへ。
今日はお祭りとのことで先ほどまで車両通行が規制されていましたが、うどんを食べている間に解除されたようです。

蔵とは直接関係ないのですが、通り沿いにある「いしころや」(正式名称は不明)に入ってみました。
数百円からの鉱石や化石など様々な天然石が並んでいて、石好きの夫や妹が宝探し感覚で物色。
年配の店主がバリバリの秋田弁で接客してくれるのですが、その絶妙な緩さが面白いのです。
何でも「石のことは何も知らないが、たまたま知り合いが山ほど集めた石があり、ここで店を開いたら観光客が通るから店番しとけと言われて、暇だからやっている」らしいです(笑)
中には博物館に置くような貴重な石もあり、都会の人に「鍵もかけないでこんなとこに置いといちゃ駄目だよ」と注意されたとか。
何ともクセになる楽しい店でした。

その向かいには「まちの駅福蔵」という店舗。
お土産屋と飲食店になっています。
稲庭うどんの切れ端が大袋で売られていて、ちょっと食指が動きました。

その奥にも立派な内蔵があります。
お店の方が「この蔵ごと買わねぇ?安くしとくよ」と冗談を飛ばしていました。
文化財ともなると維持するのも結構大変なようですね。

棚にはこけしがたくさん。
祖父の家に昔こういうのあったなあと懐かしく思い出します。

通りの先には、ひときわ目を引く木造三階建ての旧石田理吉家。
ここは横手市が管理しており有料です。
中は残念ながら撮影禁止ですが、説明員がついて丁寧かつ簡潔に説明してくれます。
説明嫌いで自由に見たい母は途中で飽きていましたが(笑)

ここは元々すぐ隣の住宅から繋がっていて、居宅ではなく応接用の離れだったそうです。
離れ部分だけが横手市寄贈により公開され、故に玄関らしい玄関がありません。
中には立派な内蔵があり、その他1階から3階までは客人をもてなすための和洋の部屋が並ぶという贅沢な造り。
3階はおそらく横手の花火大会や月見を楽しむのに使ったのでしょうとのこと。
階段での上り下りはちょっと大変ですが、街の有力者の趣味や当時の建築様式が垣間見れて面白かったです。

蔵町通りのその他の古い建物も気になりましたが、あまり時間がなくなってきたため、最後の目的地に向かいました。
横手市増田まんが美術館。
「釣りキチ三平」の作者である矢口高雄さんがこの地の出身であることから作られたものです。
有名作品の原画が展示されていたり膨大な漫画が無料で読めたり、読むためのスペースも座ったり寝転んだり狭い空間に篭ったりととてもユニーク。
暑くてどこにも行きたくない日など、1日中でもいられそうです。
貴重な原画の散逸や劣化を防いて保管したり、デジタルアーカイブ化したりという機能も果たしており、漫画を日本文化として育てるならば確かにそういう役割は必要だなと思いました。
稲庭はともかく増田という地名は知らなかったのですが、地域独特の文化に触れるのは楽しいですね。
少々強引なところもありますが(笑)あちこち連れて行ってくれる父には感謝です。
横手市役所|増田 ~内蔵のある町~
https://www.city.yokote.lg.jp/tokusetsu/masuda/index.html
漆蔵資料館
https://www.sato-yoske.co.jp/shop/urushigura/
横手市増田まんが美術館
http://manga-museum.com/
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- category:2019.09 赤湯(山形座 瀧波)、横手