- No
- 82
- Date
- 2012.10.25 Thu
森美術館 アラブ・エクスプレス展
六本木ヒルズにある森美術館。
ここは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの採用により、一定のルールの下で企画展での写真撮影が許可されている貴重な美術館です。
10/28までアラブ・エクスプレス展が開催されており、アラブ美術と聞くと魔法のじゅうたん?ぐらいしか思い浮かばない私は、GRD3を持って興味津々で出かけてきました。

夜の六本木ヒルズ、森タワー。
いつも思うけれど、ちょっとワルモノが住んでいそうな迫力です(笑)

森美術館は森タワーの53階にあります。
ミュージアムコーンと呼ばれる専用の入口からビル内に入ると、すぐにチケットカウンターがありました。
チケットを買ってエレベーターに乗り込むと、耳がキーンと痛くなる速さで53階に到着。


作者:Moataz Nasr(モアタッズ・ナスル)
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
美術館の受付を通って会場に入ると、すぐ視界に飛び込んでくる「カイロ・ウォーク」というタイトルの大きな作品です。
明るく活気にあふれた、エジプトの人々の日常。


作者:Rula Halawani(ルラ・ハラワーニ)
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
パレスチナ人居住区とエルサレムの間にある検問所で撮影された、主に人の手と手の表情を捉えたモノクロ写真です。
「親密さ」というタイトルとは裏腹に、日常生活を送るにもイスラエル兵士からの尋問を受けなければならないパレスチナ人の現実が、淡々と映し出されています。


作者:Atfal Ahdath(アトファール・アハダース)
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
レバノンで結成されたアーティスト3人組ユニットの作品です。
アラブという摩訶不思議な世界のイメージを覆す、何ともカジュアルな可愛らしさ。
デジタル処理で量産されるアートに対する皮肉が込められているようです。


作者:Atfal Ahdath(アトファール・アハダース)
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
極端にポップでカラフルな合成写真の連続。
先ほどと同じ3人のおじさんが、繰り返し繰り返し壁いっぱいに(笑)


作者:Atfal Ahdath(アトファール・アハダース)
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
こちらも同じユニットの作品です。
顔を差し替えるだけで誰にでもなれるし、宗教だって変えられるデジタル世界。
すべて、「私をここに連れて行って:想い出を作りたいから」という一連の作品の一部です。


作者:Adel Abidin(アーデル・アービディーン)
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
ブンブンと音を立てながら、せわしなく色を変え光り輝く「I'M SORRY」の文字。
イラク人の作者がアメリカ旅行の際、イラク出兵への謝罪なのかイラク人の境遇への同情なのか、たくさんのアメリカ人からかけられた「I'M SORRY」の言葉に当惑して、これを作品化したそうです。
横には同じ文字が書かれたキャンディのポットが置いてあり、「ひとり1つずつお取り下さい」と。
そして「誰にでも提供され無数に消費されていく『I'M SORRY』は妙に甘い味がするかもしれません」との説明に、思わずにやりとしました。

これがその「I'M SORRY」キャンディ。
ショップでも売られていました。商売上手だなぁ(笑)


作者:Joana Hadjithomas and Khalil Joreige(ジョアナ・ハッジトマス&ハリール・ジョレイジュ)
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
1960年代、中東のパリと呼ばれた美しいベイルートの街を撮影し、観光みやげ用の絵葉書を作った写真家がいました。
彼は、75年にレバノン内戦が始まると、撮影場所が爆撃されるたびにその部分のネガを燃やしてしまったそうです。
戦後、別のレバノン人ふたりによって、燃え残ったネガが再び絵葉書になりました。
説明してくれた学芸員さんの話を聞きながら、ネガを燃やした写真家の悲しみと失われた美しい街の風景を思い、胸が詰まりました。

絵葉書は1枚だけ選んで持ち帰ることができます。
裏面に「Hotel St Georges」と記された絵葉書。
「戦争の絵葉書(『ワンダー・ベイルート』シリーズより)」と題された作品の中の1枚です。

カラフルなテーブルが並び、アラブに関する本や映像、クイズなどが楽しめるラウンジ。
ここでアラブ・エクスプレス展はおしまいです。
上に載せていない作品も、美しいもの・前衛的なもの・悲しいもの・ほのぼのするものなどたくさんあって、想像していたよりずっと奥深く多様性に満ちたアラブの世界を垣間見ることができました。
そして、アラブ・ラウンジの先の展示室では、もうひとつ別の展示を見ることができます。


作者:イ・チャンウォン
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
展示室の壁全体をひとつの作品とした、「パラレルワールド」。
人や動物やいろいろなもののシルエットが浮かび、幻想的で楽しげな物語を形作っています。


作者:イ・チャンウォン
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
そのシルエットは、様々な写真の一部を切り抜いた箇所にガラスを当てはめ、光を反射させて壁に投影したものですが、実はその中には戦争や事件の被害者の写真など悲惨なものも混じっています。
目に見えている現象と、その元になっている現実世界とのギャップを考えさせる、トリッキーな作品でした。

森美術館の入館料には展望台(東京シティビュー)の入場料も含まれているので、帰り際に寄ってみました。
東京タワーと、左手の彼方には東京スカイツリーも見えます。
そして、案の定まわりはカップルでいっぱい。
そんな中、たまたま空いた窓際の椅子に陣取り、ガラスの映り込みを避けるため変な格好で窓辺に張り付く、会社帰りのおひとり女子(笑)
カメラの感度を上げて何とか夜景をGETし、カップルに席を譲って早々に退散しました。
森美術館は常設展がないので、いつでも入れるわけではありませんが、来年・再来年とまた面白そうな企画が予定されているようです。
カメラを持ってまた来よう!
森美術館
http://www.mori.art.museum/jp/index.html
ここは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの採用により、一定のルールの下で企画展での写真撮影が許可されている貴重な美術館です。
10/28までアラブ・エクスプレス展が開催されており、アラブ美術と聞くと魔法のじゅうたん?ぐらいしか思い浮かばない私は、GRD3を持って興味津々で出かけてきました。

夜の六本木ヒルズ、森タワー。
いつも思うけれど、ちょっとワルモノが住んでいそうな迫力です(笑)

森美術館は森タワーの53階にあります。
ミュージアムコーンと呼ばれる専用の入口からビル内に入ると、すぐにチケットカウンターがありました。
チケットを買ってエレベーターに乗り込むと、耳がキーンと痛くなる速さで53階に到着。


作者:Moataz Nasr(モアタッズ・ナスル)
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
美術館の受付を通って会場に入ると、すぐ視界に飛び込んでくる「カイロ・ウォーク」というタイトルの大きな作品です。
明るく活気にあふれた、エジプトの人々の日常。


作者:Rula Halawani(ルラ・ハラワーニ)
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
パレスチナ人居住区とエルサレムの間にある検問所で撮影された、主に人の手と手の表情を捉えたモノクロ写真です。
「親密さ」というタイトルとは裏腹に、日常生活を送るにもイスラエル兵士からの尋問を受けなければならないパレスチナ人の現実が、淡々と映し出されています。


作者:Atfal Ahdath(アトファール・アハダース)
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
レバノンで結成されたアーティスト3人組ユニットの作品です。
アラブという摩訶不思議な世界のイメージを覆す、何ともカジュアルな可愛らしさ。
デジタル処理で量産されるアートに対する皮肉が込められているようです。


作者:Atfal Ahdath(アトファール・アハダース)
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
極端にポップでカラフルな合成写真の連続。
先ほどと同じ3人のおじさんが、繰り返し繰り返し壁いっぱいに(笑)


作者:Atfal Ahdath(アトファール・アハダース)
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
こちらも同じユニットの作品です。
顔を差し替えるだけで誰にでもなれるし、宗教だって変えられるデジタル世界。
すべて、「私をここに連れて行って:想い出を作りたいから」という一連の作品の一部です。


作者:Adel Abidin(アーデル・アービディーン)
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
ブンブンと音を立てながら、せわしなく色を変え光り輝く「I'M SORRY」の文字。
イラク人の作者がアメリカ旅行の際、イラク出兵への謝罪なのかイラク人の境遇への同情なのか、たくさんのアメリカ人からかけられた「I'M SORRY」の言葉に当惑して、これを作品化したそうです。
横には同じ文字が書かれたキャンディのポットが置いてあり、「ひとり1つずつお取り下さい」と。
そして「誰にでも提供され無数に消費されていく『I'M SORRY』は妙に甘い味がするかもしれません」との説明に、思わずにやりとしました。

これがその「I'M SORRY」キャンディ。
ショップでも売られていました。商売上手だなぁ(笑)


作者:Joana Hadjithomas and Khalil Joreige(ジョアナ・ハッジトマス&ハリール・ジョレイジュ)
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
1960年代、中東のパリと呼ばれた美しいベイルートの街を撮影し、観光みやげ用の絵葉書を作った写真家がいました。
彼は、75年にレバノン内戦が始まると、撮影場所が爆撃されるたびにその部分のネガを燃やしてしまったそうです。
戦後、別のレバノン人ふたりによって、燃え残ったネガが再び絵葉書になりました。
説明してくれた学芸員さんの話を聞きながら、ネガを燃やした写真家の悲しみと失われた美しい街の風景を思い、胸が詰まりました。

絵葉書は1枚だけ選んで持ち帰ることができます。
裏面に「Hotel St Georges」と記された絵葉書。
「戦争の絵葉書(『ワンダー・ベイルート』シリーズより)」と題された作品の中の1枚です。

カラフルなテーブルが並び、アラブに関する本や映像、クイズなどが楽しめるラウンジ。
ここでアラブ・エクスプレス展はおしまいです。
上に載せていない作品も、美しいもの・前衛的なもの・悲しいもの・ほのぼのするものなどたくさんあって、想像していたよりずっと奥深く多様性に満ちたアラブの世界を垣間見ることができました。
そして、アラブ・ラウンジの先の展示室では、もうひとつ別の展示を見ることができます。


作者:イ・チャンウォン
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
展示室の壁全体をひとつの作品とした、「パラレルワールド」。
人や動物やいろいろなもののシルエットが浮かび、幻想的で楽しげな物語を形作っています。


作者:イ・チャンウォン
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
そのシルエットは、様々な写真の一部を切り抜いた箇所にガラスを当てはめ、光を反射させて壁に投影したものですが、実はその中には戦争や事件の被害者の写真など悲惨なものも混じっています。
目に見えている現象と、その元になっている現実世界とのギャップを考えさせる、トリッキーな作品でした。

森美術館の入館料には展望台(東京シティビュー)の入場料も含まれているので、帰り際に寄ってみました。
東京タワーと、左手の彼方には東京スカイツリーも見えます。
そして、案の定まわりはカップルでいっぱい。
そんな中、たまたま空いた窓際の椅子に陣取り、ガラスの映り込みを避けるため変な格好で窓辺に張り付く、会社帰りのおひとり女子(笑)
カメラの感度を上げて何とか夜景をGETし、カップルに席を譲って早々に退散しました。
森美術館は常設展がないので、いつでも入れるわけではありませんが、来年・再来年とまた面白そうな企画が予定されているようです。
カメラを持ってまた来よう!
森美術館
http://www.mori.art.museum/jp/index.html
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