- No
- 368
- Date
- 2019.01.26 Sat
櫻湯 山茱萸(館内、食事など)
櫻湯 山茱萸は7部屋のみの小さなお宿で、館内も品よくこじんまりとしています。
朝晩とも部屋食なので、滞在中に他の宿泊客に会うこともほとんどありませんでした。

各部屋は少しずつ作りが異なり、露天風呂の形も違うそうです。
部屋に付けられた花の名前も風流ですね。

売店コーナーにはオリジナルの焼き物が並び、それぞれ数千円の値札が付いていました。
色合いも形も優しげで柔らかく、器好きとしては思わず欲しくなってしまうものばかりです。

売店の隣には、美術品などがさりげなく展示してある茶室のようなギャラリー。

そこからエントランスまでの空間がロビーラウンジになっています。
小さなバーカウンターも。

廊下を少し奥に進むと大浴場です。

冷たい飲み物とタオルが手前の通路に置いてありました。

チェックイン直後でまだ誰もいなかったので、女湯を探検してみました。
脱衣所の上り口には、部屋の名前の付いたスリッパ入れがあります。
履き間違えがなくていいですね。

洗面台は少ないものの、7部屋には十分な脱衣スペースです。

奥には仕切りのついたドレッサーが4箇所。

大浴場はほどよい広さ。
夕食後に入りに来ましたが、その時も貸切でした。
部屋の露天風呂より低めの湯温で、のんびり浸かっていられます。
壁の天井付近が空いているので、すぐ横にある男湯から時々バシャーンとかカコーンとかいう音が聞こえてくることも(笑)

露天風呂は浅めで半身浴にちょうどいい。
なお、部屋は源泉かけ流しですが、大浴場は内湯、外湯とも循環式だそうです。
私は泉質にそれほどこだわりはないので、清潔で気持ち良ければOKです。

湯上がりライブラリー。
CDやDVDを部屋に持っていくことも可能です。
夫はここにあるマッサージチェアがいたく気に入り、史上最高との評価でした(笑)

ここに飾ってある器もオリジナルなのでしょうか。
この季節らしく、梅の花のような華やかな絵柄です。

部屋に戻り、のんびり寛いでいるうちに日も暮れて、夕食です。
まずはお品書きと共に先付が運ばれてきました。
食前酒代わりの梅酢のドリンクを添えて。

先付「いくら柚子釜盛り 甘海老と烏賊の開運和え」
本当は「福白子開運和え」だったのですが、内臓や貝類が苦手と伝えておいたため別の食材に変えてくれたのでした。
お品書きもすべて私向けに変更されていて、丁寧な対応に頭が下がります。

松竹梅八寸「海老チーズ焼 かすべ 山茱萸梅酢寿司 鮭の昆布巻 門松千社唐 鰰 松笠慈姑」
松笠型に整えられたクワイが「松」、門松の形の千社唐(茎レタス)が「竹」、山茱萸を模した梅酢のお寿司が「梅」と、縁起物を揃えた新年の雰囲気の八寸です。
こちらも、オリジナルは海老にチーズではなくカラスミ。
そして、ハタハタが「鰰」という漢字だと初めて知り、勉強になりました(笑)

椀物「甘鯛吉野仕立て 手鞠麩」
夫のは甘鯛ではなく蛤でした。
冬の食材は貝類が多いようで、ほとんどの料理で何かしら食材を変えていただき、申し訳なかったです。

深山和紙造り「牡丹海老 石鯛」
水に濡れても破れない和紙に、ぎっしりと身の詰まった甘い牡丹海老。

焼物「鯛の淡雪焼 鶏松風」
重そうな器に思わず「わー大変ですね」と声をかけたら、「大きいのは器だけですので・・・」とにこにこしながら蓋を取る、丁寧ながら親しみやすい素敵な仲居さんでした。

進肴「帆立キウイ酢 南陽産カリフラワー」
ちょっと添えられた菊も鮮やかです。

強肴「蔵王牛ステーキ」
こちらも切り株のような台が重たそうです。
私はミディアム、夫はミディアムレアと好みの焼き加減で焼いてくれました。

一緒に出されたヒマラヤの岩塩をガリガリと削ります。
白はお肉に、赤はマイルドなので野菜におすすめとのこと。

炊き合わせ「鰈の占地巻 銀餡かけ」
蓋と合わせて、表と内側に春らしい絵付けがほどこされている、かわいらしい器です。

御食事「いくらと鮭のだし茶漬け 漬物」
私は満腹だったので夜食用のおにぎりにしてもらいました。
でもお茶漬けもおいしそうです。

水菓子「干し柿シャーベット 二色白玉黒蜜かけ」
デミタスカップのエスプレッソもついた小さなデザートです。
こちらの器のセンスもかなり気に入りました。

食後に持ってきてくれたおにぎり。
併せてステンレスのポットに氷水をたっぷり持ってきてくれました。

あまりにもおにぎりがおいしそうで、夜中に温泉で暖まった後にひとつ食べようかと思ったものの、胃もたれの予感がしたので自重。
いつもながら胃弱体質が本当に残念です。

朝食は7時から9時の間で時間を指定できました。
翌朝8時、私は洋食です。
卵料理はスクランブルと目玉焼きから。

カゴに入った3種類のパン。

ジャムとバターに、青い小さなグラスでパンケーキ用のメープルシロップも。

夫の和食。
品数はこちらの方が多いようです。
3種類のドレッシングは兼用で、すり下ろしたタマネギのフレンチドレッシングが美味でした。
お櫃にはおかわり用のご飯もたくさん。

最後にフルーツとヨーグルトが出され、朝ご飯をゆっくりと楽しみました。
その後、午前中いっぱいはそのまま部屋でのんびり。
チェックアウトの時にはお昼用のおにぎりまで持たせてくれて、至れり尽くせりです。
小さくて暖かな隠れ家のようなお宿で、冬の温泉を満喫した週末でした。
櫻湯 山茱萸
http://sansyuyu.jp/
朝晩とも部屋食なので、滞在中に他の宿泊客に会うこともほとんどありませんでした。

各部屋は少しずつ作りが異なり、露天風呂の形も違うそうです。
部屋に付けられた花の名前も風流ですね。

売店コーナーにはオリジナルの焼き物が並び、それぞれ数千円の値札が付いていました。
色合いも形も優しげで柔らかく、器好きとしては思わず欲しくなってしまうものばかりです。

売店の隣には、美術品などがさりげなく展示してある茶室のようなギャラリー。

そこからエントランスまでの空間がロビーラウンジになっています。
小さなバーカウンターも。

廊下を少し奥に進むと大浴場です。

冷たい飲み物とタオルが手前の通路に置いてありました。

チェックイン直後でまだ誰もいなかったので、女湯を探検してみました。
脱衣所の上り口には、部屋の名前の付いたスリッパ入れがあります。
履き間違えがなくていいですね。

洗面台は少ないものの、7部屋には十分な脱衣スペースです。

奥には仕切りのついたドレッサーが4箇所。

大浴場はほどよい広さ。
夕食後に入りに来ましたが、その時も貸切でした。
部屋の露天風呂より低めの湯温で、のんびり浸かっていられます。
壁の天井付近が空いているので、すぐ横にある男湯から時々バシャーンとかカコーンとかいう音が聞こえてくることも(笑)

露天風呂は浅めで半身浴にちょうどいい。
なお、部屋は源泉かけ流しですが、大浴場は内湯、外湯とも循環式だそうです。
私は泉質にそれほどこだわりはないので、清潔で気持ち良ければOKです。

湯上がりライブラリー。
CDやDVDを部屋に持っていくことも可能です。
夫はここにあるマッサージチェアがいたく気に入り、史上最高との評価でした(笑)

ここに飾ってある器もオリジナルなのでしょうか。
この季節らしく、梅の花のような華やかな絵柄です。

部屋に戻り、のんびり寛いでいるうちに日も暮れて、夕食です。
まずはお品書きと共に先付が運ばれてきました。
食前酒代わりの梅酢のドリンクを添えて。

先付「いくら柚子釜盛り 甘海老と烏賊の開運和え」
本当は「福白子開運和え」だったのですが、内臓や貝類が苦手と伝えておいたため別の食材に変えてくれたのでした。
お品書きもすべて私向けに変更されていて、丁寧な対応に頭が下がります。

松竹梅八寸「海老チーズ焼 かすべ 山茱萸梅酢寿司 鮭の昆布巻 門松千社唐 鰰 松笠慈姑」
松笠型に整えられたクワイが「松」、門松の形の千社唐(茎レタス)が「竹」、山茱萸を模した梅酢のお寿司が「梅」と、縁起物を揃えた新年の雰囲気の八寸です。
こちらも、オリジナルは海老にチーズではなくカラスミ。
そして、ハタハタが「鰰」という漢字だと初めて知り、勉強になりました(笑)

椀物「甘鯛吉野仕立て 手鞠麩」
夫のは甘鯛ではなく蛤でした。
冬の食材は貝類が多いようで、ほとんどの料理で何かしら食材を変えていただき、申し訳なかったです。

深山和紙造り「牡丹海老 石鯛」
水に濡れても破れない和紙に、ぎっしりと身の詰まった甘い牡丹海老。

焼物「鯛の淡雪焼 鶏松風」
重そうな器に思わず「わー大変ですね」と声をかけたら、「大きいのは器だけですので・・・」とにこにこしながら蓋を取る、丁寧ながら親しみやすい素敵な仲居さんでした。

進肴「帆立キウイ酢 南陽産カリフラワー」
ちょっと添えられた菊も鮮やかです。

強肴「蔵王牛ステーキ」
こちらも切り株のような台が重たそうです。
私はミディアム、夫はミディアムレアと好みの焼き加減で焼いてくれました。

一緒に出されたヒマラヤの岩塩をガリガリと削ります。
白はお肉に、赤はマイルドなので野菜におすすめとのこと。

炊き合わせ「鰈の占地巻 銀餡かけ」
蓋と合わせて、表と内側に春らしい絵付けがほどこされている、かわいらしい器です。

御食事「いくらと鮭のだし茶漬け 漬物」
私は満腹だったので夜食用のおにぎりにしてもらいました。
でもお茶漬けもおいしそうです。

水菓子「干し柿シャーベット 二色白玉黒蜜かけ」
デミタスカップのエスプレッソもついた小さなデザートです。
こちらの器のセンスもかなり気に入りました。

食後に持ってきてくれたおにぎり。
併せてステンレスのポットに氷水をたっぷり持ってきてくれました。

あまりにもおにぎりがおいしそうで、夜中に温泉で暖まった後にひとつ食べようかと思ったものの、胃もたれの予感がしたので自重。
いつもながら胃弱体質が本当に残念です。

朝食は7時から9時の間で時間を指定できました。
翌朝8時、私は洋食です。
卵料理はスクランブルと目玉焼きから。

カゴに入った3種類のパン。

ジャムとバターに、青い小さなグラスでパンケーキ用のメープルシロップも。

夫の和食。
品数はこちらの方が多いようです。
3種類のドレッシングは兼用で、すり下ろしたタマネギのフレンチドレッシングが美味でした。
お櫃にはおかわり用のご飯もたくさん。

最後にフルーツとヨーグルトが出され、朝ご飯をゆっくりと楽しみました。
その後、午前中いっぱいはそのまま部屋でのんびり。
チェックアウトの時にはお昼用のおにぎりまで持たせてくれて、至れり尽くせりです。
小さくて暖かな隠れ家のようなお宿で、冬の温泉を満喫した週末でした。
櫻湯 山茱萸
http://sansyuyu.jp/
- category:2019.01 赤湯(櫻湯 山茱萸)
- No
- 367
- Date
- 2019.01.20 Sun
櫻湯 山茱萸(部屋など)
年が明けて1週間後の三連休に、夫と山形県南陽市の赤湯温泉に行ってきました。

山形新幹線で東京から2時間半。
実家への帰省時にはいつも通り過ぎている赤湯駅に、初めて降り立ちました。
緩やかに弧を描く駅舎の屋根部分は、ハンググライダーがモチーフになっているそうです。
この辺りは、葡萄棚に覆われた急斜面の山肌と水田が広がる平野との標高差のある地形が特徴で、季節によっては国道や新幹線からも色とりどりのハンググライダーの滑空を見ることができます。

駅からはお願いしていた送迎の車に乗り、10分もせずに本日の宿に到着。
櫻湯 山茱萸(さんしゅゆ)というお宿です。
玄関もレセプションも、落ち着きのある中にほんのりとモダンな雰囲気。
チェックイン時間の14時には少し早かったのですが、すぐに部屋に案内してもらえました。

ロビーから右手に伸びる長い廊下。
その両側に、それぞれ花の名前がついた7つの部屋が配されています。
このこじんまり感はいいですね。
廊下にもストーブが置かれ、冬でも館内はほどよく暖かです。

一番奥の右手にある「都忘れ」が、今回の私たちの部屋でした。

引き戸を開けて中に入ると、玄関の上り口に前室がついています。
小さな冷蔵庫とコーヒーメーカーが置いてありました。
冷蔵庫の飲み物はミネラルウォーターも含めすべて有料ですが、食事の前後にお水の入ったステンレスのポットとグラスを用意してくれるので、それほど不便は感じませんでした。

その横にはトイレ。
大きな鏡や手洗い場もあり、広々としています。

襖を開けると9畳間の主室。
奥側にテレビのあるリビングと、右手には寝室があります。

主室のテーブルは掘りごたつ式になっていて楽でした。
食事は朝晩ともこちらでいただきます。

テーブルにはほうじ茶と緑茶。
急須に描かれた山茱萸の花のモチーフは、宿のシンボルマークになっているようです。
私は花の名前に疎いので知らなかったのですが、春に黄色い花、秋に赤いグミのような実をつける植物なんですね。

茶櫃の中には湯飲み茶碗が4式。
こちらには山茱萸の実のような絵が描かれていました。
あとで仲居さんに伺ったのですが、お茶や食事用の陶磁器はすべてオリジナルで焼いてもらっているのだそうです。

そしてお茶菓子。
「NANJO da BE(なんじょだべ)」のネーミングに思わず笑ってしまいました。
山形弁で「どうでしょう」の意味です。
最中とクッキーの融合とのことで、サクふわ食感が楽しいお菓子でした。
青い小瓶に入った金平糖もかわいいです。

主室にある押し入れ型のクローゼットには、浴衣や丹前、貴重品用の金庫など。
浴衣はSMLの3サイズが2式ずつ用意されていて、自由に選べました。

下の引き出しには上下セパレート型の部屋着。
畳んであると何となく昔のおじいちゃんの肌着っぽくも見えますが(笑)
広げると七分袖に七分丈で子供服のようなかわいらしさもあり、薄手ながら着心地もよかったので、浴衣の締め付け感が苦手な私は夜はこれを着ていました。
他に、ポンチョの用に羽織れる膝掛も用意されています。

横の寝室には、すぐにゆっくりできるようにと最初から布団が敷いてありました。

細長い形の9畳間で、障子戸の裏に遮光スクリーンがあるため薄暗いですが、開けると中庭越しに露天風呂が見える作りです。

中庭に面したリビング。
椅子を4脚置くと少し手狭ですが、どことなく懐かしいような空間です。
この部屋は喫煙可能なようで、主室とリビングに灰皿が置いてありましたが、特に煙草の匂いは気になりませんでした。
夫は喫煙者ですが室内では吸わないので、一服するときは露天風呂から中庭に出ていました。

リビングには壁付けのテレビがありますが、のんびり寛いでテレビを見るなら主室にあった方がいいような気もします。
とはいえハイバックの椅子が1脚あったので、当然のごとく夫の特等席になりました(笑)

テレビの下のキャビネットには引き出しが3つあり、右側にはレターセットやソーイングキット、マルチ充電コードなどのツールが用意されています。
Wi-Fiも快適に使えました。

真ん中にはコーヒーカップ。
色も形もほっこりとした温かみがあり、私の好みです。

左側の引き出しにはコーヒー用の砂糖とミルク。
コーヒーメーカーが部屋の外にあるのが動線としては今ひとつですが、私はお茶派なので特に影響もなく(笑)
掘りごたつでぬくぬくしながらお茶ばかり飲んでいました。

リビングから見える中庭。
年末にまとまった積雪があったものの年が明けてからは降っていないようで、雪は日陰に残っている程度でした。
奥には石造りの露天風呂があります。

露天風呂へは、リビングの奥から中庭に面した渡り廊下を通って行きます。
部屋の中で唯一暖房のないエリアなので、ここを通るときはいつも小走り(笑)

渡り廊下の先には洗面所。
エアコンと床暖房があり、冬でも快適です。
間接照明が主なのでメイクなどするには暗めですが、個人的には足元の暖かさと相まって意外に落ち着く空間でした。
バスローブやタオル類も十分に置いてあり、壁にはタオルウォーマーも完備。

アメニティはごく普通ですが、ドライヤーが2台あるのは珍しいですね。
今回は夫とですが、女性同士で泊まるときなどは特に助かると思います。

横にあるシャワーブースへの出入口には、こんな注意書きが。
仲居さんによると、チェックイン時間に合わせて湯温を調節してあるものの、外気温によっては徐々に温度が上がってしまうため、熱ければ井戸水が出る蛇口をひねって湯温を下げてくださいとのことでした。

シャワーブースにも床暖房が入っていて、とても快適です。

その外には、丸みを帯びた形の露天風呂。
やはり夜になるとお湯はかなり熱くなっていたので、少し水を足して入りました。
湯船も広くお湯も柔らかで、なかなかの気持ちよさ。
ただ、こちらの部屋は県道に面しており、しかも露天風呂は一番道路寄りにあるため、すぐ横を車が通る音が聞こえたりします(笑)
風情という意味では惜しいところですが、それでも存分に温泉を楽しみ癒された滞在でした。
櫻湯 山茱萸
http://sansyuyu.jp/

山形新幹線で東京から2時間半。
実家への帰省時にはいつも通り過ぎている赤湯駅に、初めて降り立ちました。
緩やかに弧を描く駅舎の屋根部分は、ハンググライダーがモチーフになっているそうです。
この辺りは、葡萄棚に覆われた急斜面の山肌と水田が広がる平野との標高差のある地形が特徴で、季節によっては国道や新幹線からも色とりどりのハンググライダーの滑空を見ることができます。

駅からはお願いしていた送迎の車に乗り、10分もせずに本日の宿に到着。
櫻湯 山茱萸(さんしゅゆ)というお宿です。
玄関もレセプションも、落ち着きのある中にほんのりとモダンな雰囲気。
チェックイン時間の14時には少し早かったのですが、すぐに部屋に案内してもらえました。

ロビーから右手に伸びる長い廊下。
その両側に、それぞれ花の名前がついた7つの部屋が配されています。
このこじんまり感はいいですね。
廊下にもストーブが置かれ、冬でも館内はほどよく暖かです。

一番奥の右手にある「都忘れ」が、今回の私たちの部屋でした。

引き戸を開けて中に入ると、玄関の上り口に前室がついています。
小さな冷蔵庫とコーヒーメーカーが置いてありました。
冷蔵庫の飲み物はミネラルウォーターも含めすべて有料ですが、食事の前後にお水の入ったステンレスのポットとグラスを用意してくれるので、それほど不便は感じませんでした。

その横にはトイレ。
大きな鏡や手洗い場もあり、広々としています。

襖を開けると9畳間の主室。
奥側にテレビのあるリビングと、右手には寝室があります。

主室のテーブルは掘りごたつ式になっていて楽でした。
食事は朝晩ともこちらでいただきます。

テーブルにはほうじ茶と緑茶。
急須に描かれた山茱萸の花のモチーフは、宿のシンボルマークになっているようです。
私は花の名前に疎いので知らなかったのですが、春に黄色い花、秋に赤いグミのような実をつける植物なんですね。

茶櫃の中には湯飲み茶碗が4式。
こちらには山茱萸の実のような絵が描かれていました。
あとで仲居さんに伺ったのですが、お茶や食事用の陶磁器はすべてオリジナルで焼いてもらっているのだそうです。

そしてお茶菓子。
「NANJO da BE(なんじょだべ)」のネーミングに思わず笑ってしまいました。
山形弁で「どうでしょう」の意味です。
最中とクッキーの融合とのことで、サクふわ食感が楽しいお菓子でした。
青い小瓶に入った金平糖もかわいいです。

主室にある押し入れ型のクローゼットには、浴衣や丹前、貴重品用の金庫など。
浴衣はSMLの3サイズが2式ずつ用意されていて、自由に選べました。

下の引き出しには上下セパレート型の部屋着。
畳んであると何となく昔のおじいちゃんの肌着っぽくも見えますが(笑)
広げると七分袖に七分丈で子供服のようなかわいらしさもあり、薄手ながら着心地もよかったので、浴衣の締め付け感が苦手な私は夜はこれを着ていました。
他に、ポンチョの用に羽織れる膝掛も用意されています。

横の寝室には、すぐにゆっくりできるようにと最初から布団が敷いてありました。

細長い形の9畳間で、障子戸の裏に遮光スクリーンがあるため薄暗いですが、開けると中庭越しに露天風呂が見える作りです。

中庭に面したリビング。
椅子を4脚置くと少し手狭ですが、どことなく懐かしいような空間です。
この部屋は喫煙可能なようで、主室とリビングに灰皿が置いてありましたが、特に煙草の匂いは気になりませんでした。
夫は喫煙者ですが室内では吸わないので、一服するときは露天風呂から中庭に出ていました。

リビングには壁付けのテレビがありますが、のんびり寛いでテレビを見るなら主室にあった方がいいような気もします。
とはいえハイバックの椅子が1脚あったので、当然のごとく夫の特等席になりました(笑)

テレビの下のキャビネットには引き出しが3つあり、右側にはレターセットやソーイングキット、マルチ充電コードなどのツールが用意されています。
Wi-Fiも快適に使えました。

真ん中にはコーヒーカップ。
色も形もほっこりとした温かみがあり、私の好みです。

左側の引き出しにはコーヒー用の砂糖とミルク。
コーヒーメーカーが部屋の外にあるのが動線としては今ひとつですが、私はお茶派なので特に影響もなく(笑)
掘りごたつでぬくぬくしながらお茶ばかり飲んでいました。

リビングから見える中庭。
年末にまとまった積雪があったものの年が明けてからは降っていないようで、雪は日陰に残っている程度でした。
奥には石造りの露天風呂があります。

露天風呂へは、リビングの奥から中庭に面した渡り廊下を通って行きます。
部屋の中で唯一暖房のないエリアなので、ここを通るときはいつも小走り(笑)

渡り廊下の先には洗面所。
エアコンと床暖房があり、冬でも快適です。
間接照明が主なのでメイクなどするには暗めですが、個人的には足元の暖かさと相まって意外に落ち着く空間でした。
バスローブやタオル類も十分に置いてあり、壁にはタオルウォーマーも完備。

アメニティはごく普通ですが、ドライヤーが2台あるのは珍しいですね。
今回は夫とですが、女性同士で泊まるときなどは特に助かると思います。

横にあるシャワーブースへの出入口には、こんな注意書きが。
仲居さんによると、チェックイン時間に合わせて湯温を調節してあるものの、外気温によっては徐々に温度が上がってしまうため、熱ければ井戸水が出る蛇口をひねって湯温を下げてくださいとのことでした。

シャワーブースにも床暖房が入っていて、とても快適です。

その外には、丸みを帯びた形の露天風呂。
やはり夜になるとお湯はかなり熱くなっていたので、少し水を足して入りました。
湯船も広くお湯も柔らかで、なかなかの気持ちよさ。
ただ、こちらの部屋は県道に面しており、しかも露天風呂は一番道路寄りにあるため、すぐ横を車が通る音が聞こえたりします(笑)
風情という意味では惜しいところですが、それでも存分に温泉を楽しみ癒された滞在でした。
櫻湯 山茱萸
http://sansyuyu.jp/
- category:2019.01 赤湯(櫻湯 山茱萸)