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category :2012.11 小布施・善光寺

小布施(桝一客殿)

11月の三連休、長野県の小布施に行ってきました。
晩秋のドライブの予定が、天気予報がまさかの雪だったため、急遽新幹線での移動となりました。
去年のあせび野といい、今年のウィスラーといい、昔から季節はずれの悪天候に見舞われる率が高いのは、夫が雨男だからに違いない(きっぱり)。
とはいえ、今回は運よく天気予報がはずれ、雪が降ることはありませんでした。

新幹線を長野駅で降りたら、小布施まではすぐ横の長野電鉄に乗って30分です。
階段を下りて長野電鉄の乗り場に着くと、改札の近くにテーブルが出ていて、大根やカブなどの野菜が並んでいました。
わぁ産直野菜だーと思って見ていたら、どうやら代金は改札のおじさんに支払う方式。
素敵すぎて思わずほっこりしてしまいました(笑)
ふと見ると、エリンギ山盛りの袋詰めが50円!
ものすごーく買いたかったけれど、これから出かけるんだから、がまんがまん。

小布施の駅からのんびりと歩いて10分程度で、宿泊先の「枡一客殿」に到着。
このホテルは、すぐ近くにある枡一市村酒造や老舗和菓子店の小布施堂の経営者が営業しているものです。



桝一客殿の入口。
落ち着いた佇まいが素敵ですが、出入口の前が観光バスの駐車場のため、日中はガヤガヤしているのがちょっと残念。
中に入るとすぐフロントロビーになっていて、酒造場で働くいでたちの男性陣が案内してくれました。



部屋に行くには、フロントの奥からいったん外の通路に出ます。
螺旋階段が印象的なスペース。



敷地内の建物は、近隣の砂糖問屋から移築した土蔵を中心に構成されているそうです。
観光客で賑わう表の喧騒から切り離されたような空間です。



フロントのある建物の裏には、鯉が泳ぐ池と紅葉の枝。
蔵造りの建物が寄り添うように建っている回廊を抜けていきます。



各部屋のドアの横には、部屋番号の代わりに、小布施にゆかりのある北斎の絵が表札のように掲げられています。
私たちの部屋には、かの有名な赤富士の絵。



外は東京と比べるとかなり寒かったのですが、部屋の中はエアコンと床暖房が設置されており、足元からぽかぽかと温まる心地よい空間でした。
蔵がベースなので陽の光がさんさんと差し込む感じではないけれど、何となく落ち着く暗さです。



今回は一番小さな部屋ですが、それでも十分な広さ。



テレビの横のお茶セットには、アラビアのカップ。
オリジナルブレンドのコーヒーも素敵なデザインです。



小布施堂で売っている栗蒸し羊羹とお茶を頂きました。
小布施は栗の里でもあります。



部屋と同じ絵が付いたルームキー。



奥のキャビネの上には、北斎の画集(英語版)が置いてありました。
そういえば、敷地内には蔵のライブラリーもあったのに写真を撮り忘れました・・・(涙)



広々としたウォークインクローゼット。
荷物は全部ここに広げておけます。



部屋を出て奥の廊下沿いにある洗面エリア。
デザインがかわいいけれど、シンクがちょっと狭くて深いので、顔を洗うとびしょびしょになりました。
でもタオルがいっぱい置いてあるので、いちいち拭けばOK、かわいさもキープです(笑)



洗面エリアの反対側の廊下の端には、インパクト大の透明なバスルーム。
こちらもデザイン優先と思いきや、たっぷりのお湯と腰掛けられる段差構造が意外に使いやすかったです。
しかもこのバスタブの蛇口、信じられない勢いでお湯が出るので、ものの5分で満杯になる様子を見ているとなかなか笑えます。
12時チェックアウトだったので、朝ごはん前にのんびりバスタイムを楽しむことができました。

小布施(ごはんと街歩き)

枡一客殿の宿泊客は、エリア内の小径や庭を隔てたところにあるレストランのいずれかで食事をとります。
このあたり、ちょっと軽井沢の星のやを彷彿とさせるシステム。
今回は酒蔵の一部を改装した和食レストラン、蔵部(くらぶ)での夕食が付いたプランでした。



夕刻の蔵部の外観。
蔵人の男衆が酒造りの期間中に食する「寄り付き料理」をコンセプトにしたお店です。
枡一客殿と同様、スタッフは男性ばかりです。



お店の中、奥のテーブル席には外国人の姿も多く、日本語と英語混じりで賑やか。
時間も遅くなり、人がいなくなったのを見計らって撮影しました。



本日のお品書き。素朴なメニューが並びます。
風邪が治ったばかりの私たちには、ちょっとおなかに嬉しい感じ。



こちらがメインのきのこ鍋。
シャキシャキのきのこがこれでもかと入った鍋で、食べごたえ満点でした。
かまど炊きのご飯もおいしくて、夫はまだ本調子でないのについつい食べ過ぎてしまいました。



蔵部のオープンキッチン。
きびきびとした立ち居振る舞いの店員さんたちの動きを、カウンターから眺めながらの食事も楽しそうです。



入口横には枡一のお酒が並んでいます。
日本酒党の夫は食事中に何種類か飲んでいましたが、辛口派の夫の好みには合っていたとのこと。



小布施の夜は早く、レストラン以外はほぼ日没とともに閉店するようです。
ちょっと早すぎるのが宿泊客泣かせ。
観光客も一斉にいなくなって、控えめな町の明かりとともに急にあたりが静かになります。
お土産屋さんのある一画に、なぜか大きなカブトムシのオブジェ。



こちらは朝食レストランの傘風楼(さんぷうろう)。
2階はバーになっていて、枡一客殿の宿泊客は1杯ずつドリンクがサービスになります。
飲めないくせにホテルのバーとか大好きな私は、夕食後に行く気満々でしたが、食べ過ぎた夫のギブアップで今回は諦めました。残念。



朝食は、パンに野菜スープとイタリアのサラミ、ハム。



卵料理はスクランブルを選びました。
デザートの自家製ヨーグルトを食べたらまたしてもおなかいっぱい。



朝の風景。
そろそろまた観光バスがやってきて、たくさんのお客さんを運んできます。



傘風楼の横から入る栗の小径。
栗の木の煉瓦が敷き詰められた、足当たりの良い小さな遊歩道です。



老舗の和菓子屋さん、小布施堂横の街路樹の紅葉。
そういえば今年はまともに紅葉を見ていなかったなぁ。



足元には、風に吹かれて乾いた音をたてる枯れ葉がたくさん。



小布施堂の佇まい。
栗の実の紋が何だかかわいく見えます。



桝一市村酒造場の中に入ってみました。
こちらも、屋号が染め抜かれた藍染の暖簾がすがすがしく。



モダンで美しい酒瓶が並ぶ、酒造場入口です。
夫は自分用に白い瓶のお酒を購入しました。



小布施堂と酒造場の裏手、煙突のある中庭に面したカフェ、ENTOTSUです。
こちらはまだオープンから日が浅い模様。
アイコンがお洒落です。



ガラス戸の内側もシンプルでかわいらしい感じ。
小布施堂さんは、古いものを活かしつつ、今の時代の気分を取り入れるのが上手なんですね。
撮ってる本人は、晴れているのに傘を2本も持って、残念な感じ満載ですが(笑)



長野電鉄の小布施駅です。
長野までの車窓には、赤い実がなったままのリンゴ畑や、群生するススキの穂が風に揺れる広い河川敷など、のどかなローカル線の風景が流れていきます。
日本の原風景にしばし癒され、結局雪は降らなかったけれど電車で来てよかったなぁと思いました。

善光寺

小布施からの帰りに長野駅まで戻り、新幹線まで時間があったので、何年ぶりかの善光寺に行ってみました。
前回も夫と来たのですが、結婚前か後だったか、季節はいつだったのか・・・。
うーん、だんだん記憶力が(笑)

長野駅から善光寺までは1.5キロぐらいで、駅前からバスに乗ればすぐ到着です。
善光寺は飛鳥時代に創建され、どこの宗派にも属さないお寺だそうです。



仁王門までの間は、大本願の佇まいや紅葉の庭などを見ながらのんびり。
でも既に参拝客がたくさんいて、まっすぐ歩くのがちょっと難しいくらいでした。



仁王門から山門までの仲見世の看板。



山門は2007年に平成の大修理が終わったところだそうです。
高く掲げられた「善光寺」の文字の中に5羽の鳩が隠れているのは昔ながら。
屋根にはたくさんの鳩がとまっていて、時々一斉に飛び立ってはカメラマンたちに激写されていました。
夫もその瞬間を狙ってみたものの、飛べ~!と念を送って待っている間はなかなか飛び立たず(笑)



山門を抜けて本堂に向かうと、人はますます多くなりました。
創建から数十回の火災を経て、江戸時代に建てられた国宝。
さすがに堂々とした風格です。
誰かが納めた線香で煙が立ち上る大香炉からこっそりおこぼれを頂戴し、本堂に上がると、中は混雑もピークでお戒壇巡りも大行列。
東京暮らしなのに行列が苦手な夫と私は、遠巻きに手を合わせ、お参りをして後ろの方々に譲りました。



山門側から仁王門の方を眺めた仲見世通り。
夕方にはまだ時間がありますが、少しずつ日が翳り、気温が下がってきました。



途中で甘酒を飲んだりしながら、ゆるゆると来た道を戻ります。
おみくじが結び付けられた紅葉の枝。



仁王門の外、大本願のあたりで気になるのぼりを発見しました。
ひとにぎり地蔵?
何かこの脱力したような、すべて受け入れたようなお顔にそこはかとない癒し感が・・・(笑)
後で調べたら、善光寺大本願で焚かれたお線香の灰で作られていて、すべて違うお顔をしており、1体1,000円で分けてもらえるのだそうです。
なんと、ホームページでの授与品頒布(俗世の言葉で通信販売?)もされているとのこと。
手作りのため人気に追いつかず、予約待ちのこともしばしばあるそうです。



大門から外へ出て、駅に戻るバス待ちの間に撮影。
旧体字で御本陣藤屋旅館と書かれた、クラシックな建物です。
現在は、THE FUJIYA GOHONJINという名前でレストランとして営業しています。
この日はウェディングで貸切のようでした。



少し先には、これもまた目を引く善光寺郵便局。
昭和初期に建てられた旅館を改装した建物だそうです。
善光寺の付近には、旅館がたくさんあったんですね。

久しぶりの善光寺参りでしたが、新たな発見もたくさんありました。
目下、うちにも「ひとにぎり地蔵」に来ていただこうかどうしようか悩み中です。

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